2014年5月15日木曜日

【エッセイ】雨と木曜日(7)


チューリップが満開です。円山公園にはいろいろな品種が咲き乱れ、小区画ごとにみな色やかたちがちがいます。「春天使」「アルマーニ」などの名前が、とくにカタカナでたくさんついていますが、とても覚え切れず、ただ見とれるばかり。2,3日前が一番の見頃だったか、という花も見かけますが、全体の彩りはいまが盛り。めぐれどもめぐれども見飽きず、写真を撮るひともちらほら。さあ、大通公園ではライラックまつりも始まります。

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アンデルセンは童話作家と紹介されますが、実は小説もずいぶん出版しています。日本語版の「小説・紀行文学全集」は全10巻におよび、浩瀚なもの。彼はヨーロッパ中を旅していますので、紀行文もあれこれありますが、小説は九篇あるはずで、うち有名なのは鴎外も訳した『即興詩人』ですね。ほかはほとんど聞く機会のないタイトルばかり。当時から評判はいまひとつで、いまの研究者も評価しない模様。後世にはよいものだけが残るのか、どうか。

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『のんびり』を読んでいます。これは秋田県のPR誌。秋田の魅力をずっしりと伝えてくれるB5版64ページのフリーマガジン。なかなかのボリューム。手元にある5号では寒天の特集を組み、色とりどりで目の微笑むような写真が並びます。しかし、「これは!」と思ったのは6号の日本酒。純米酒と呼ばれるアルコール添加のない「米と米麹と水」だけのお酒に注目が集まるいま、酒造りから経営までじっくりインタビューが詰まっています。


【参考URL】のんびり http://non-biri.net/editor/index.html