ギャラリーミヤシタ外観 |
Iさんの個展をやっていました。ちょうど、在廊していらしたのでお話を伺いました。なにしろ、一枚目から「この絵はどうなっているんだろう?」と制作方法が気になるのです。
http://www.gallery-miyashita.info/inoue_lightbox/inoue_lightbox.html
遠目にはアクリルの抽象画に見えます。実際、上のページで見られる写真も多くはそうでしょう。しかし、そこには奥行きがあります。作品には5mmほどの厚みがあり、それが立体造形物のように見せます。
絵柄が鉱物を思わせるだけでなく、近づいて斜めから見ると、鉱物の粒が散りばめられているかのように光ります。これは複雑な技法(アクリル絵の具、メディウム、ジェッソ、砂などの素材と、ローラーおよびやすりの使用ほかのため)によるものです。
展示室を撮影していませんが、シンプルで木の温かみがある造りです。こちらの部屋には蔵書も並びますね。Iさんはここの本棚も手がけた(20年ほど前に作られた)そうです。
とにかく素晴らしい展示でした。絵画とはなにか、考えさせられ、「工芸」「手仕事」の言葉とともにどう位置づけてよいのか、不思議な作品群でした。
会期は、2014年5月11日(日)まで。
【書誌情報】『現代工芸論』、笹山央(ひろし)著、市川文江編、蒼天社出版、2014