美水(よしみず)まどかさんの紙と真綿を使った作品の個展です。
「海の繭」DMにも使われた代表作 |
これは今回の一番の大作。こうして写真で見るとわかりづらいのですが、ぶ厚い紙を何枚も重ねて、ときにはそれに穴が空いて、できています。藍色〜紺色〜水色に染色されています。
展示風景。少し暗めに写ってしまいました。実際には主に白色光で明るい空間です。さて、作家の美水さんが在廊していらしたので、お話を伺うことができました。
奧の壁面。さきの「海の繭」 |
美水さんは、かつて銅版画をなさっていたそうですが、そこから版画を刷る紙へのこだわりが始まり、版画家ではなく紙の作家となり、以来、20年以上も紙の作品を作り続けています。ちなみに、真綿との出会いは最近で、使い始めてまだ日が浅い、とのこと。
染色された紙が真綿でつつまれている |
"Sky Color"(一部、映り込みあり) |
面白いのは、成形した(=紙ができた)あとには一切、手を加えていない、という点。したがって、このユニークな形(輪郭や、破れたような穴)も色合いも、自然にまかせて作られているということ。美水さんはこれを続けてきた日々を「素材とのたたかい」と呼んでいた。素材を活かすことが一番、大事であって、「作為」ではない、と語る。
さきの大作を横から見たところだが、4枚か5枚のぶ厚い(ダンボールより厚い)紙が重ねられているのがわかる。