2014年6月6日金曜日

【エッセイ】雨と木曜日(10)


 再び、「詩とパンと珈琲」のモンクール。今日は全粒粉クロワッサンと黒パン。全粒粉の白くないクロワッサンはがっしり、ここのパンはいつも「しっかり」、さらには「がっしり」しているのだけれど、噛みごたえもバター風味も抜群です。黒パンは、ライ麦も入っているのですが、「黒」は実は「黒糖」の黒。ほんのり甘い、風味や香りとしての甘さとして練り込まれているようです。生地はもっちり、どの食パンも食べごたえがあるお店です。

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 ルイボスティーは、知っているひとと知らないひとが分かれるみたい。輸入食料品店やお茶を置く店のほか、このあいだは珈琲店でも見かけました。健康によいと言われるノンカフェインのお茶で、真っ赤な色をしています。南アフリカ産。有機栽培のものから、手頃な価格のものまでありますが、"POMPADOUR"(ポンパドール)というハーブティーブランドのものは入手しやすいでしょう。柑橘系の香りをつけたものも飲みやすいですね。

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 『計画と無計画のあいだ』は、2006年にミシマ社を立ち上げた三島さんの5年間の記録。ミシマ社は出版社なのですが、出版不況のさなか、同業者が倒産してゆくなかであえての起業。ある日、天啓のように「そうだ、出版社をやろう!」と思い立ったらパワーに満ちあふれたという30代前半のミシマさん。面白い仲間たちが次々と集まり、経営のこともよくわからないままスタート。元気にあふれる筆致で、こちらもなにかできそうな気分になります。


【書誌情報】『計画と無計画のあいだ』、三島邦弘、河出書房新社、2011