2014年7月10日(木)
最近、ジャズがまたいいなあと聴いています。バド・パウエル、エラ・フィッツジェラルド、マル・ウォルドロン……TSUTAYAでCDを10枚も借りてきました。ジャズはどっぷり入り込んでしまう水の深さがあるので、もし、30年前に生まれていたら、ジャズ喫茶に通って「マスター、××をリクエスト」なんて通なレコード名を覚えるのにどきどきしていたかもしれない。四ッ谷の「いーぐる」は、唯一行ったことのあるジャズ喫茶、本格的でした。
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コーヒーを形容するのに、「チョコレートのような風味」「ワインのような深み」といった言葉が使われるのを、僕は理解できませんでした。けれども、ドイツのコーヒーをもらって飲んだとき、チョコレートやアーモンドの香りを感じました。それも、淹れ立ての熱いのではなく、かなり冷めたときに。もともと、珈琲は冷めても美味しいものが、ほんとうに美味しいと思います。1時間経ってまた口にしたときの驚きがある珈琲を飲みたい。
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「夜回り先生」のシリーズはずいぶん前から話題になっていたのですね。今回、『夜回り先生と夜眠れない子供たち』を皮切りに、初めて何冊か読んでみましたが、心を打たれるとともに、人生を揺さぶられました。夜の街が舞台ですから、読むのがキツい話も結構あるのですが、「夜回り先生」の静かな情熱と子供への深い愛情が伝わってきます。精力的に行動し続ける先生、マザー・テレサにちなんで、ファザー・水谷修とでも呼びたくなります。
いーぐるのホームページ:http://www.jazz-eagle.com/index.html
【書誌情報】『夜回り先生と夜眠れない子供たち』水谷修、2009、小学館文庫