2014年9月4日木曜日

雨と木曜日(23)

2014.9.4.


 「まだ誰も平和の叙事詩をうまく物語れないでいる」。これは映画「ベルリン天使の詩」の一節。「ホメロス」(古代ギリシャの大詩人)役の語り手が、ナレーションのようにこの言葉を告げる。そのホメロスによる「イーリアス」はトロイア戦争の、「オデュッセイア」は海の冒険の叙事詩。中世ドイツのニーベルンゲンの歌も戦争を扱い、アイヌの叙事詩には残酷な戦いも多いと言う。フィンランドのカレワラはどうだろうか……。人間の営みを思う。

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とある珈琲店の情報によると……「コーヒーの香りにはリラックス効果があります。特に脳のリラックス状態を現すα波が多くみられるのはグアテマラとタンザニア(キリマンジャロ)と報告があります。」とのこと。わかる気がする。グアテマラはボディが強く、香りは軽いがぐっと来る。キリマンジャロは酸味系の代表格で、爽やかな香りが強い。こうした珈琲は、頭頂に抜けるような強みがあり、アロマテラピー効果が期待できるかも。

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三省堂のブックカフェで「天野喜孝」のイラスト集をめくった。15歳でタツノコプロに入社。ガッチャマン、みなしごハッチの絵を手がける。ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズでは27年間にわたって、絵師を務める。幻想的な画風で人気を集めた。東京の麻布に白く美しいアトリエをもっており、緑や人体模型も置かれている。ジーパンにカジュアルシャツで写真に写るが、堂々たる風格がある。バハムートと葉っぱの絵が素敵でした。


【書誌情報】天野喜孝(イラストレーション別冊)、玄光社、2014