2015年4月13日月曜日

【ご報告】本のカフェ第17回@東京

2015.4.11.土 14-17時
町田、ひじかた園ティールーム
参加:6名
1500円(お茶、菓子付き)


今回は、3回目の東京開催。町田のひじかた園という老舗のお茶屋さん、小綺麗で温かなティールームにてこぢんまりと集まりました。バラエティに富む4冊の本が紹介されます。


一冊目の紹介者、Hさんのご厚意で紹介タイムのみ、動画に撮りました。4つアップして載せます。



動画リンク:https://youtu.be/ecGBlp097Rs

はじめは『影響力の武器』。営業マンが使うようなビジネスの心理学的なテクニックを知ることで、トラブルから身を守ることができる、と紹介者さん。そこには6つの心理学的な法則があります。1.返報性。もらったら返さなきゃ、と思う。2.コミットメントと一貫性。3.社会的証明。みんながしていることをしてしまう。4.好意。5.希少性。6.権威。いずれも、特徴と実例を挙げての説明でわかりやすい紹介でした。



動画リンク:https://youtu.be/Pl2oppkPhsE

二冊目は、『第二音楽室』。4つの中編が収められたYA(ヤングアダルト)。そのなかでも「FOUR」という一編を紹介。中学生四人がリコーダー・アンサンブルを組むのですが、紹介者さんいわく「多くの児童書のなかでも、楽器としてのリコーダーをきちんと取材しているのはこの本だけだった」とのこと。運指、木製リコーダーと温度、ブレスのコントロールまで言及。心が解放されてふわりと溶けてゆく、アンサンブルの幸福感にも共感。



動画リンク:https://youtu.be/nbvBoe54Vbk

三冊目は、『読んでいない本について堂々と語る方法』。フランスの教授が書いていろんな国でベストセラーになった話題書。著者いわく、本を読むことでかえって全体の見通しが曇ることがある、と。それは味読することにより「主観的真実」が生まれてしまうからで、あらすじや帯の文句にあるような「客観的真実」から遠ざかってしまう。けれども、その主観的真実をこそ楽しめばよいのではないか、という主旨に紹介者も共感する。



動画リンク:https://youtu.be/FwiNXObAUEA

四冊目は、『精霊の守り人』。いま話題のファンタジー作家、上橋菜穂子さんの初期の作品。「守り人」シリーズは10編も続いたというが、その最初の巻だ。紹介者さんが思うに、この作品の魅力は三点ある。ひとつはこまかなところまで行き届いた世界の構築。政(まつりごと)から町民の暮らし、食べ物のレシピまで書いてある。ふたつ目に、人物描写が登場人物に深みを与えていること。第三に大人も子供も楽しめる、ターゲットを特定しない面白さ。


後半のフリータイムでは、オブザーバーのひとりが「ヒッチハイクで東京から鹿児島まで旅をした話」を聞きました。実際に使った、行き先を示すスケッチブック。旅先で撮った写真。みんなで、若き日の無謀な旅の話など交えて盛り上がりました。



あっという間に時間は過ぎて、二次会はユニークなブックカフェへはしご。



なお、紹介タイムの様子は撮影をしましたので、後日Youtubeにアップする予定です。参加者のみなさま、ひじかた園の店主、スタッフの方々、そしてweb上で見守ってくださったみなさま、ありがとうございました。

文責・主宰 木村洋平


【書誌情報】
『影響力の武器』第三版、ロバート・チャルディーニ、社会行動研究会訳、誠信書房、2014
『第二音楽室』、佐藤多佳子、文藝春秋、2010
『読んでいない本について堂々と語る方法』、ピエール・バイヤール、大浦康介訳、筑摩書房、2008
『精霊の守り人』、上橋菜穂子、新潮文庫、2007