2015年4月7日火曜日

【本と珈琲豆】『マザーテレサ すばらしいことを神さまのために』


マザーを紹介した本としては初期のものではないだろうか。原書は1971年。
日本では、写真家の沖さんがマザーの本を出しているが、彼がマザーを知るきっかけになったのがこの本。


ジャーナリストとしてテレビ業界でも活躍する著者が、自身の信仰の弱さを自覚しながら、マザーの精神に強く惹かれて記したドキュメンタリーのような本。

ふたつ引用してみよう。

普通の尺度でいうとシスターたちの生活はきびしく、つらい生活だ。だが、こんなにすばらしい、うれしそうな女の人たち、この人たちのように喜びのふんいきを作り出す人たちを見たことがない。貧しい人たちには、サービスとか献身とかだけでなく、人間味ある愛から来る喜びを運ばなくてはと、マザー・テレサは説明している。

以下は「親切」と題された節の全体で、マザーの言葉だと思われる。

親切で、いつくしみふかくありなさい。訪ねてきた人が、帰っていくときは、まえよりもっとよくなって、もっとしあわせになって帰るようになさい。神のご親切の生きた表現であるようにしなさい。顔に親切。目に親切。ほほえみに親切。あたたかく声をかける親切。スラム街では貧しい人への神のご親切の光となること。子どもにも貧しい人にも、苦しんでいる孤独の人みんなに、いつもしあわせな笑顔を向けなさい。世話するだけでなく、心を与えなさい。

翻訳にややぎこちなさもあるが、すばらしい本だと思った。

【書誌情報】
『マザーテレサ すばらしいことを神さまのために』、マルコム・マゲッリッジ著、沢田和夫訳、女子パウロ会、1976