2016年3月4日金曜日

【ご報告】本のカフェ第29回@札幌

日時:2016年2月28日(日) 14-16時
場所:カフェ&ショップ Seed
参加人数:9名+主宰
参加費:1800円(スイーツプレート・ドリンク付き)


今回は、日曜日のティータイムに読書会。ヘルシーなオリーブオイルを使ったお菓子(今日はガトーショコラでした)、それに有機珈琲があるということで、みなさん「プレミアムブレンド」などちょっとよい珈琲を頼まれていましたね。


自己紹介を一通りしたあと、ドリンクのみ揃えて紹介タイムへ。今回は2名でした。


一冊目は、『ロウフィールドの惨劇』。貴族の屋敷で働く家政婦が一家四人を惨殺することが、冒頭で明かされます。家政婦のユーニス・パーチマンは戦争のために学ぶことができず、文盲であるが、それを隠している。神の視点での語りは、皮肉と哀れみも織り交ぜて物語は進む。文字が憎悪の対象であるパーチマンは、クライマックスで、撃ち殺そうとする目の前の人間が文字に見えてくる。ちなみに、紹介者さんは、戦争による文盲というテーマから、「子供の貧困」問題にも興味をもって勉強されたとのこと。



二冊目は、『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』。1967年に放送された「ウルトラセブン」シリーズ。テーマは、異なる種族の共生。夜のシーンが多く、ダークな印象を与え、シリーズ内でも最高傑作と言われる。その最終回のラストシーンにシューマンのピアノ協奏曲が使われて、絶妙の効果を与えた。本の著者は、子供時代にそれを見て、シューマンの音楽に打たれ、のちのちレコードを集め、実際に使われたカラヤンとリパッティの盤に辿り着く。セブンを語りながらの音楽入門書。


実は、二冊目の途中で3時を過ぎ、スイーツプレートが運び込まれました。みんなでもぐもぐと食べながら、お話を拝聴。そのまま、自然とフリータイムになだれ込んで、質問や発言が飛び交いました。



話題は、どういったミステリになら共感できるか、サイコパスの類は共感できない、といった意見から、ウルトラマンの初代が放映されたときにはカラーテレビだったとか、バイキンマンやウルトラ怪獣といった敵役も憎めない、といった話も。


また、今回は86歳(本のカフェ史上、おそらく最高齢)の方がいらしており、やさしく丁寧に若い方へのアドバイスや、ご自身の心境を明るく語ってくれました。みなさん、謹聴していましたよ。ありがとうございます。


Seedのママとスタッフさん、お越しいただいたみなさん、応援、見守ってくれたみなさまに感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

文責・写真・主宰:木村洋平

【書籍情報】
『ロウフィールドの惨劇』、ルース・レンデル、小尾 芙佐訳、角川文庫、1984
『ウルトラマンが「音楽」を教えてくれた』、青山通、アルテスパブリッシング、2013