ベートーヴェンの交響曲をリストが編曲した。それをフォルテピアノ(当時のピアノ。現代のピアノの前身)で弾いたCDがとてもよかった。
AppleMusicで聴いたのだが、こちらの「4番、5番セット」が一番、好み。ほかも、全曲録音されている。1〜5の中期までの作品群は、ピアノに編曲されるとちょうど「そういうピアノ・ソナタをベートーヴェンが作曲していたっけ」と思えるような出来映え。
フォルテピアノによる響きも、残響や倍音が控えめで、穏やかな曲に聞こえる。
「英雄」の3番も、長いソナタのようで落ち着く。
第五は、ベートーヴェンの古楽演奏に馴染んだひとならば、テンポも違和感なく、機関車がゆくような威力を感じられると思う。
第九はさすがに迫力が足りない(フォルテピアノ一台では)。
ついでに、ジャケットも雰囲気を醸してぴったりだ。