2017年1月20日金曜日

雨と木曜日(113)

2017.1.19.


木曜日更新のエッセイ。
今回は、Macのよいところ、困るところ〜地産地消の東南アジア珈琲〜『やし酒飲み』。


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Macを使い始めて6年ほどになる。インターフェイスはシンプルで使いやすいし、不具合が起きたときにかんたんにメンテナンスができる、等々、OSとしてはとてもよくできていると感じる。ただ、Chrome上でFacebookがきちんと動作しない(Safari なら動作するのだが…)とか、Kindle本を作成するときにMacのWordからだと画像が流し込めない、など小さな不具合はあり、マイナーさゆえかと思うと、Windowsへの乗り換えを考える。

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珈琲の産地でもある東南アジア。しかし、豆の生産量で2位のベトナム、4位のインドネシアらでは、牛乳と砂糖を入れた甘い珈琲が安く、屋台で提供されているのみであった。そこへ、高級な珈琲の飲み方が広がりつつある。たとえば、高級豆のトラジャを現地でハンドドリップして飲む、インドネシアの珈琲店。ブラックで本物のコクを知ると「もう元には戻れない」と地元の若者は言う。地産地消の動きでもあり、面白い。

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『やし酒飲み』はアフリカの作家による小説だ。めずらしい。著者は鍛冶の仕事を本業とし、誇りをもって仕事をする傍らで、この奇妙な小説を書いた。それは文法の独特な(まちがいもある)英語で書かれ、世界から反響を呼んだ。それでも、小説家になるつもりはなく、鍛冶屋を辞めるつもりもないという。たしかに本職作家らしいぴりぴりした緊張はない。ストーリーは、やし酒飲みが、やし酒作りの霊を求めてブッシュ(神秘的な森林)を彷徨うもの。

『やし酒飲み』、エイモス・チュツオーラ、土屋哲訳、岩波文庫、2012
* 「解説」も充実。