2017.1.26.
木曜日更新のエッセイ。
今回は、「ハードバップにははまらない」〜珈琲酔い再び〜アラン『芸術論20講』。
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ジョー・ヘンダーソンのジャズを聴く。とくに60年代、ハードバップと呼ばれた潮流の録音。メロディは掴みやすいし、明るく響き、耳に馴染みやすい。けれど、素通りしてしまう。札幌のトオンカフェのマスターはジャズ通だが、以前、「ハードバップにははまったことがない」と言っていた。ヘンダーソンが影響を受けたというレスター・ヤングを続けて聴いてみると、魂が活き活きと動いているのがわかる。これが「スイング」なのかな。
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珈琲酔いの記事を2週前に書いたと思うが、珈琲を飲みながら集中して読書したり、話し込んだりすると、みぞおちのあたりが苦しくなることがある。ハーブティーの方がからだにやさしいかな? スタバのデカフェ・ラテ(スタバには、もう3ヶ月は行っていない)やドトール「ノンカフェインコーヒー」もあるけれど、珈琲はやはりカフェイン入りを飲みたい、とも思い、それなら、リラックスする時に飲むのがよいかもしれないね。
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アラン『芸術論20講』を読む。『芸術の体系』の方が構築的で、一冊にエッセンスをまとめている。こちらは後年の講義録で、エッセイ風に話があちこちへ道草をしたあと、時間が来ると途切れるように終わってしまう。しかし、アランの活き活きした語り口は健在。「見世物」や「衣装」に2章(2講)を割いているのも、配分がユニーク。最終章「芸術家」は幸福な議論。アランの処女作は『スピノザ』だが、その影響も窺える。
『芸術論20講』、アラン、長谷川宏訳、光文社、2015