2017年6月22日木曜日

雨と木曜日(133)

2017.6.22.


木曜日更新のエッセイ。
今回は、インスタグラムと「ジャズ小史」〜『ポピュリズムとは何か』の一場面〜下北沢「ダーウィンルーム」。


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Kindleで2冊の本を出版し、広報しなきゃ、という話をしていたら妹から「いまはインスタだよ!」と言われた。今年に入って写真を複数載せられるようになってから、ストーリー仕立てのもの、文字メインのコンテンツも増えたらしい。使ってみなよ、と勧められる。次は、「ジャズ小史」をテーマに短い電子書籍を出したいと思っている。

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『ポピュリズムとは何か』(中公新書)が面白い。なかに戦後のアルゼンチンを分析した箇所があり、ペロン大統領とその夫人エヴァ・ペロン("エビータ"の愛称で親しまれる)がだいぶ社会主義的なやり方で改革を進める話は面白かった。労働者を大切にし、外国資本のインフラを接収、国有化し、日用品を安く買えるスーパーマーケットまでエビータの財団が面倒を見る。低開発国から消費社会へ、国家が主導して大きく舵を切ったーー。しかし、経済の停滞がネックとなり、また、ペロンの手法も独善的になり、失脚。アルゼンチンという一国を舞台にしたドラマのようだ。

ちなみに、アルゼンチンも含め、ラテンアメリカ各国は格差がひどく(ジニ係数が東アジアより高い)、労働者階級の下に「アンダークラス」が4割ほどいる。その層が誰を支持するかで状況が変わりやすいため、ポピュリズムはいまだに絶えないという話。

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下北沢にある「ダーウィンルーム」(本・雑貨)にて、話題の『サピエンス全史』を読む読書会に参加してきた。平日夜、1時間半ほどでひとりずつ感想を述べて一周するスタイル。けれども、空間も居心地よく、飲み物とお菓子も提供され、一応の閉会後も、多くのメンバーが残って盛り上がった。下北沢は楽しい街だ。


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