2017年6月3日土曜日

【童話】ゆうやの作文ーー『ちょっと木になる童話集』より

『ちょっと木になる童話集』刊行記念に、期間限定で中身を紹介してゆきます。「ゆうやの作文」はふたりの読者さんから「これが面白かった!」とご好評をいただいたので掲載。

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ゆうやの作文

 こないだ、9人できぬた公園にピクニックにいきました。ぼくと、ともやとよしおと、こういちとかなことみきとまさえとよしことゆうこ先生とトムです。トムは犬です。
 ぼくは、木のはっぱのついた木の枝で、先をさして歩きました。ともやはおかしのポッキーをふくろから出して、かなこにわけてあげました。かなこは「ありがとう」といってもぐもぐたべました。よしおはかた足がけがだったので、まつばづえをついています。まつばづえで、こならにとまったうぐいすをみつけて、「あれだよ」とさしたのでみんなかんしんしました。
 まさえはまだ5才なので、歩くのがおそいです。すぐころんでピンクのワンピースがどろどろになるけど、へいちゃらです。
 きぬた公園のしばふの上でおべんとうをたべましょうとゆうこ先生がいうと、トムがばうばうとほえました。ほんとにトムはいい犬です。ぼくらは、丘のてっぺんまでかけっこして、おべんとうを広げました。かなこは、ぼくたちに「なんでピクニックシートをひかないの」とききました。こういちは「おとこはズボンのけつがじょうぶにできてるからさ」とこたえました。みちよはだまってにこにこみていました。でも、きっとお上品じゃないわと思っていたと思います。みちよは、ほそくておしとやかだからです。
 とてもきもちのよいはるの日でした。ゆうこ先生は、つくしんぼを探しましょう、といいました。ともやがなにそれというと、ゆうこ先生はつくしよといいました。ともやはなあんだといったのでおかしかった。げんこうようしがなくなったのでおわりです。


『ちょっと木になる童話集』は、Kindle端末のほか、スマートフォン、タブレットでもKindleアプリ(無料)を入れることで読むことができます。