2017年7月22日土曜日

雨と木曜日(137)

2017.7.22.


ふだん木曜日更新のエッセイ、今回は土曜日。
ベートーヴェンの珈琲豆60粒、交響曲全集と旅の季節について。


ベートーヴェンは毎朝、60粒の珈琲豆を数えて淹れていたーーという伝説を聴いたことがあるだろうか。これはベートーヴェンを神話化する"嘘つき"シントラーの筆になる伝記に書かれているそうだ。「なーんだ、じゃあ、でっちあげかな?」と思いつつも、ある朝、60粒を数えてみた。銅の計量カップに入れてみると隙間ができる。60粒というのは少なめだった。ちなみに、この写真の豆の大きさは中ぐらい。もっと小粒の豆で試したときは、半分にしかならなかった。ベートーヴェンがこれで満足したはずがない、かどうかは知らない…。

なお、ベートーヴェンがよくおなかをこわしていた(これは史実)のは、コーヒーの飲み過ぎではないか?とぼくは勝手に疑っている。

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そんなベートーヴェンの交響曲全集、ノリントン指揮を聴いている。ちょっと古楽っぽい。キレがいいね。テンポのよさ、フレージングもスピードが速い。強弱もはっきり。

一般に交響曲のなかでは奇数番号が傑作として有名だが、たしかに第2は地味だと思う、が、第4はぼくはかなり好きだ。古楽器の演奏だと、インマゼール指揮の全集もおすすめ。

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夏、旅の季節。SNSでも青い海、広々した空や山が飛び込んでくる。ぼくは残念ながら旅行の予定はないが、札幌を懐かしく思う。



札幌駅(さつえき、と地元では言う)のステラプレイスという複合商業施設は、ほかのどこにも似ていない、と以前友人と話した。京都の駅ビル、あれも巨大だが、とも似ていないし、首都圏はもっと小ぶりだし。ステラプレイスはとにかく広く、言ってみれば巨大ルミネみたいなものだ。おまけに地下街のパセオともつながっていてこれまた広大。雪の日も楽しめるわけです。