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おそらく頭のよいひと、知識の豊富なひとほど、そうではなく、知はもの静かな能力だと考えるけれど。
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ものをよく「知っている」ひとや図書館の本棚に向かうと、その奥が見通せない霧の手前にいるような心細さを感じないだろうか。
彼方にあるのは、すごくよいものかもしれないが、同時に恐ろしくもないだろうか。
たとえ「知っている」ひとは楽しんでいるだけで、けっして「相手を圧倒しよう」などとは思っていなくても。
それでも、「知っている」ことは抑えの利かない力でありうる。
だからこそ、じぶんが「知っている」側に立ったときには、実は慎み深さが必要なのではないだろうか。