2019年3月26日火曜日

作家にとって大切なもの、みっつ…?


かつてイタリアはトスカナ地方に、ダンチャッテというなんちゃって小説家がいた。

ダンチャッテは作家を志す道の途中で、とある森に迷い込み、そこで小説の神さまと会った。神さまはおっしゃった。

「ダンチャッテよ、作家にとって大切なみっつのものがわかるか」

「ひとつは、古典を読むことです!」

「よかろう」

「ふたつめは、文体を磨くことです!」

「よかろう」

「みっつめは、……ああ、わかりません!」

「教えてあげよう。みっつめは、俗っぽさだ」

神さまは天に帰りました。

「それなら、おれにもできそうだぞ」

ダンチャッテが大成したのか、それはわかりません。