2019年9月1日日曜日

【仕事】近刊『平成の文学とはなんだったのか』9月上旬発売


編集を担当した『平成の文学とはなんだったのか:激流と無情を越えて』(重里徹也、助川幸逸郎共著、はるかぜ書房)が9月上旬に発売となります。

これまでにも戦後の文学史をたどった本はありますが、「平成の三十年」の文学を明らかにした本はこれが最初かもしれません。対談メインで読みやすく、扱う作品の幅も広いです。

「体系的・教科書的」な本ではありませんが、純文学を中心に「網羅性」はかなりあるのでは、と思っています(著者の先生方がそうおっしゃるかはわかりません)。10のトピックを立てて(村上春樹、震災後文学、令和の書き手など)自由自在、縦横無尽に語り合います。おふたりの読書量と知見の豊かさに驚きました。

ぼくは編集者の特権(?)ではないですが、ゲラの段階で何度も目を通します。そのたびに、もう読んだ内容なのに、「はっとする」瞬間が多々ありました。なにげない一文、本筋から逸脱したような語りのなかに、時代の真実が映し込まれている、と感じるのです。

この本がよい航路をたどって多くの方のもとで楽しまれますように!