2020年2月1日土曜日

エシカルの話──「エシカル」という言葉の紹介記事


今日は「エシカル」という言葉を紹介したいと思います。
エシカルとは「ひと、環境、社会、地域に配慮した行動」を指します。
「それってエシカルだね」といった風に使われます。

けれども、「エシカル」と言われても──そもそも、この言葉を聞いたことのないひとが 8割くらいではないでしょうか。



「エシカル」はもともと英語であり、"ethical" と綴り、そのまま訳せば「倫理的な」という意味の形容詞です。しかし、いま紹介しているカタカナの「エシカル」は、まずは「エシカル消費」、さらにいまでは「おおよそSDGs にかかわること」をも指すようです。

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根っこにある「エシカル消費」から説明して行きましょう。

1990年頃、イギリスで "Ethical Consumption"(エシカル・コンサンプション、倫理的な消費) という言葉が広まりました。これは「社会課題の解決に寄与するような製品を買おう」という活動のことです。

これが2012,13年頃になって日本にも入ってきて、「エシカル消費」と呼ばれ、キーワードとしては「エシカル」として定着し始めます。けれども、この時点ではまだまだマイナーな活動でした。

その後、「エシカル」の普及を目指すエシカル協会https://ethicaljapan.org/)が立ち上げられたり、エシカルな商品を扱う実店舗「エシカルペイフォワード」(https://ethical-payfoward.jp/)が日本橋に生まれたりしました。

いま「エシカル消費」は、「社会問題」(児童労働や搾取的な労働、大量の廃棄物など)を起こす製品は買わない、という意味も持っています。ひとりひとりがよく考えて「選ぶ」ことが大切なのです。

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ところで、みなさま "SDGs" はご存じでしょうか?
2015年に国連で採択された SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発目標」と訳されます。これは、よりよいかたちで未来に地球を託せるように、自然環境や人間を取り巻く環境を守ろうと打ち出された目標の集まりです。その特徴はとても包括的であること、そして2020年の時点で、各国政府だけでなく企業を巻き込んで国際的な知名度を飛躍的に高めていることです。

こうした SDGs への注目は、ちょうどよく「エシカル」を応援する格好になりました。そのため、いまでは「エシカル」という言葉は「消費」にとどまらず、SDGs の掲げるさまざまな目標とかかわると考えられており、より広い意味で「ひとや環境、社会、地域に配慮した活動」全般を指す言葉として受容されつつある──少なくとも、ぼくはそう感じています。

もっとも、「エシカル」にかかわる活動をされているいろいろな方々に、それぞれいろいろな意見があるのかもしれません。

今日のところはこのくらいの紹介にします。
もっとよく知りたい方は、さきのエシカル協会のサイトを読むのもよいでしょうし、エシカル協会代表の末吉里花さんが書かれた本『はじめてのエシカル』(山川出版社、2016)も読みやすくおすすめです。SDGs も外務省のページなどで調べてみると面白いでしょう。

いまも社会の変化とともにだんだんと意味を変えている「エシカル」、これに注目して今後も追いかけて行きたいと思います。