杜甫(とほ)は中国、唐の詩人。8世紀に戦乱とさすらいの人生を生きた。
「春の風景」(原題「春望」)は彼の代表作とされる詩だ。
いまの僕らともどこか重なる。
春の風景 杜甫
国やぶれて なお山に川は流れ
城は春に満ちて 草と木々に埋(うず)もる
ふいに涙すれば 花を濡らし
別れに胸を突かれれば たちまち鳥が飛び立つ
のろしが上がり はや三ヶ月
親に葉書を 一枚書こう
ああ おれは白髪頭をがしがし掻いて
櫛も通らぬ それでかまわぬ
かなり自由な訳:木村洋平
こちらのサイトに原文ほか、音読の音源がある。
写真:Somchai Sun - 投稿者自身による作品 |