2020年8月31日月曜日

Black Lives Matter - 大坂なおみとマーティン・ルーサー・キングJr 牧師

テニスプレイヤーの大坂なおみさんが Black Lives Matter(黒人の命が大切だ)をめぐって試合の棄権を表明した。(その後、撤回される)。その時のツイート(英語)が胸に迫るものあり、和訳した。

* なお、そのツイートに載っている日本語は読みづらく、自動翻訳と思われる。

 


2020年8月26日 8:46 PM

こんにちは。明日、わたしがセミファイナルマッチに出場する予定なのを知っているひとも多いかもしれません。だけど、アスリートである前にわたしは黒人女性です。そしてひとりの黒人女性として、テニスの試合よりも重要で、いますぐ関心をもつべきことがすぐそこにあると思う。出場しなくてもべつにとんでもないことが自分に起こるとは思わない。それよりも、もし白人がメジャーなスポーツで会話を始めることができるなら、それは正しい道へのステップになるはず。警察の手による黒人のジェノサイドが続くのを見ていると、ほんとうに気分が悪くなって胃に来る。数日ごとに新しいハッシュタグが飛び出すのにはうんざりさせられるばかりだし、このことで同じ会話をくり返すのに疲れ切ってしまった。いつになったら終わりが来るの?

#JacobBlake, #BreonnaTaylor, #Elijah Mcclain, #GeorgeFloyd


*木村洋平訳
*ハッシュタグの4つの名前は、いずれも警察官に殺された黒人。

* * *

1963年、黒人の権利を訴える行進において、マーティン・ルーサー・キングJr 牧師は、「I have a dream」(アイ・ハヴァ・ドリーム)のフレーズが有名となった演説をおこなった。

黒人への差別はいまなお苛烈だが、キング牧師の高らかな声をここに並べて響かせたい。


「今日ここにきた人々が、多くの試練や迫害を体験したことに、私が気づいていないのではありません。」

「自由の追求のために嵐のような迫害を受け、体が変形するほど殴打され、警察暴力によって打ちのめされた地域からやって来た人がいるでしょう。あなたがたは、何かを生み出す創造的苦悩を経験してきた人々です。不当な苦痛はかならず償われる、という信念で活動し続けてください。」

「今日、私は仲間の皆さんへ伝えたい。たった今は困難や苛立ちを感じていますが、それでも私には夢があると。」

「私には夢がある(I have a dream.)。いつの日かこの国は立ち上がりその信条、『これらの真理は自明の理である。すなわち万民は生まれながらにして平等に造られている』という信条に沿った国家となるのです。

 私には夢がある。いつの日か、ジョージアの赤い丘で、元奴隷の息子と元奴隷所有者の息子が、兄弟愛の同じ食卓につくのです。

 私には夢がある。いつの日か、不正と抑圧の熱で暑くうだる沙漠のミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変貌するのです。」

「私には夢がある。私の四人の子供たちがいつの日か、肌の色ではなく、人格の中身によって判断される国家に住むようになるのです。」

「……馴染みの黒人霊歌の言葉をうたい上げるのです。『とうとう自由に!(Free at last!)とうとう自由に。神よ、ありがたいことだ、神よ、われわれはとうとう自由だ!』と。」
(演説はここで終わる)


参考:『アメリカの黒人演説集 キング・マルコムX・モリスン他』荒このみ編訳、岩波文庫、2008

https://www.americanrhetoric.com/speeches/mlkihaveadream.htm (キング牧師の演説。英語原文)