2022年8月10日水曜日

僕にとってのエシカル



こんにちは。ブログ更新が久しぶりです。以下、Facebookに投稿したことの転載です。「僕にとってのエシカルとはなにか」を語っています。


エシカルSTORYを起業して2年と2ヶ月になります。

先日、コワーキングのAGORAで先輩から「木村くんにとってのエシカルをはっきりさせなよ。それを旗として掲げて行こう」と言われました。

たしかに、とても大事なことです。

ふだん「エシカルってなに?」と聞かれると、一般的な意味で「エコやSDGsに近いことです」と答えています。

ただ、僕にとってのエシカルというと、これは「命を賭けて、なにごとかをなそうとすること」が一番近い表現です。

芸術家だったら精一杯、絵を描くとか、親だったら子供を全力で守り、育てるとか。

僕の場合は、10代の頃から哲学に打ち込んでいたので、『遊戯哲学博物誌』(2017刊)を一冊、書き上げることに命を賭けました。

本当に体もガタガタで、一人暮らしで心もすり減らし、孤独に執筆を続け、世に出しました。お金も肩書も権威も、なにもありませんでした。

そういう風に本気になる生き方は、たとえ環境活動や社会貢献活動をしていなくても、エシカルだと思います。

逆に、どんなにエコやSDGsをやっていても、自分と家族が一番で、半径3mの幸福や安全圏にとどまり、日和って、生ぬるく、腑抜けていれば、まったくエシカルとは言えません。

これが僕にとってのエシカルです。

ところで、高校生の頃、B'zの"ultrasoul" という曲が発売され、1000回くらいCDで聴きました。笑

今でも大好きな曲です。

その歌詞をぜひ読んでほしいのですが、(https://www.uta-net.com/song/12846/)まさにこの歌詞の通りに生きることが、「命を賭ける」本気の生き方だと思います。

だから、エシカルとはウルトラソウルで生きることです。笑

"そして羽ばたくウルトラソウル"

まだ未熟な私ですが、温かく見守っていただけたら幸いです。
今後もよろしくお願いいたします。

(ハイ!) 

2022年3月22日火曜日

ウクライナ情勢をめぐる考察 - ロシアのサステナビリティ



この記事は、今ウクライナ情勢をめぐって、「ロシアのサステナビリティ(持続可能性)」を問うことが大切だろう、という趣旨です。

国際的に「反ロシア」の気運、ロシアへの非難が高まっています。しかし、その正しさは認めつつも、戦後にはロシアの政治・経済・社会が持続可能な仕方で、国際協調の体制を作らないと、ロシアのみならず、国際社会が大きな被害を受けると考えられます。

今後、中長期的にみてロシアが国として持続できることが大事だと考えます。

***

今、ウクライナに異常な攻撃を仕掛けるロシアは、プーチンの心身の健康や内政(政治・経済・社会)に危機を抱えているかもしれません。

仮に、ロシアの政治・経済・社会が内部から崩れていく事態になっていけば、国際的にも巨大な問題が起こります。すでに起こっている小麦や原油の値上がりのほか、ロシアからの国外避難民(「難民」)、ロシア国内の混乱によるロシア国民の飢餓や貧困、医師不足やインフラの劣化などです。

グローバリゼーションで密につながった世界では、他国も、こうしたロシアの危機をじかに引き受けることになります。

なお、新聞やメディアは見られる範囲で見ていますが、「ロシアの内政崩壊と、それがもたらす影響」については、今のところ可能性としてさえ言及されている記事を見ません。しかし、ロシアが政治・経済・社会を保てなければ、国際的に重要な問題が起こることはまちがいないでしょう。

***

中長期的に見て、戦争がどうなるにせよ、「戦争が終わり、戦争前にようにロシアがプーチンの独裁体制のもとで平穏になる」ことは考えづらいでしょう。国際社会も、ロシアの政治家、若者、市民もそんな甘い結末を許さないでしょう。

すると、問題は、

1.なんとかプーチンを排除したうえで、
2.ポストプーチンへどう移行できるかです。

結論から言うと、

▶ 最悪のシナリオは、プーチンが暴力的に殺されるなどして、その後、有力な派閥や党派が内紛・内戦を始めて、その間にロシア全土が無政府状態になっていくことです。

中東〜北アフリカの「アラブの春」では、シリアやリビアで独裁政権が倒れた後、平和裏に次の政権に移行できず、内戦が起こりました。

それに近いことがロシアで起こると、人口も土地も規模が大きいので、国際的にも巨大な問題となります。

▶ 一番よいシナリオは、プーチンが失脚し、穏健な政権が誕生し、よいリーダーシップを発揮できる人物が大統領になり、政治・経済・社会の立て直しを図りながら、民主化を進めて行くことです。国際社会もこれを支援できるでしょう。


以下、現状を見ます。


【現状:戦況】

2月末頃、ロシアがウクライナに侵攻を開始しました。まず、ウクライナの東部や南部から進軍と攻撃を開始し、北西部の首都キエフに向かっています。

ロシアの目的ははっきりしないようです。仮に首都キエフを陥落させるとして、ウクライナを併合したいのか、傀儡政権を立てたいのか等。

侵攻開始後、ウクライナのあちこちで、兵士ではない民間人(女性・子供、避難民)を巻き込んで、無差別な攻撃が仕掛けられました。とくにこの数日、ウクライナ南部の都市マリウポリでは無差別な虐殺と呼べるような攻撃が何度も起こっています。

また、ウクライナ領内で、歴史的建造物や原発への攻撃も起こりました。

これは、仮にロシアが「ウクライナを自国領にしたい、占領したい、支配したい」といった目的を持っているとしても意味がないどころか逆効果です。現実的に考えれば、「兵士で戦って、軍事的に勝ち、市民も街も無傷で残る」方が、ロシアは戦争後に得るものが大きいはずです。プーチンは理性を失っているとしか思えません。


【現状:ロシア国内】

それから、ロシア国内の状況ですが、市民の間で戦争反対のデモが起き、勇気あるジャーナリストも戦争反対を訴えていますが、厳しい言論弾圧と、戦時警察による取り締まりが起こっています。メディアの統制や集会の禁止(を名目とした逮捕)など、第二次大戦中の日本を連想させます。これだけでも、中長期的なロシアの敗色は濃いと見えます。


【現状:国際社会】

国際社会は、欧米を中心に、プーチンへの激しい非難と、ロシアへの批判を強めています。欧米の経済制裁は、ロシアからの企業撤退、金融取引の停止により、ロシア経済と社会にダメージを与えています。(その反動で、小麦の値上がりや原油高といった欧米側のダメージもあります。)

他方、中国はもともと親ロ的であり、今回もロシア批判に距離を置いています。ロシアを追い詰めすぎてもかえって危険だ、という冷静な認識もあるでしょう。また、国際社会による強い経済制裁で貧困や飢えに苦しむロシア市民が出るのも、まったくよいことではありません。貧しく、弱い立場の人から犠牲になり、戦争自体は続いてしまいます。

なお、日本政府は欧米寄りですが、インドのモディ首相と岸田首相の会談を見ても、ロシア非難に振り切らず、曖昧な態度をとっているとみえます。


【ロシアとの視野を視野に入れる】

今は「ロシアの侵攻」と「プーチン」は激しく非難したうえで、何らかの仕方でプーチンが倒れて、戦争が終結する見込みが立つなら、国際社会はロシアと協調して、民主的で平和を尊ぶロシアの再生を支援できるとよいと思います。

それはロシアのサステナビリティ(持続可能性)であると同時に、国際社会全体のサステナビリティだと考えるからです。

いくらロシアが非道なことをしたからと言って、一方的に、あからさまにロシアを「叩き」続けることはよい結果を生みません。マスメディアによる世論もそうでしょうし、SNS上の世論も同じです。どんな相手であれ、追い詰めすぎてはいけないのです。

(ちなみに、第二次大戦の引き金を引いたナチスドイツも、第一次大戦の敗戦国として、莫大な賠償金を支払うよう、国際社会から無理強いされ、非難されました。その重みに苦しむなかでヒトラーの政権を支持して、第二次大戦に突入しました。)

結局のところ、グローバリズムでつながった世界においては、「ロシアとともに」国際秩序を築いていくしかないのです。ロシアがこのような大国であれば、なおさらです。

ですから、常にロシアの内側、市民の状況を考えるべきです。戦争による負荷でロシアの内政があやうくなるでしょう。地域によっては、水や食料が足りなくなるとか、インフラが保てない、自治体の経済が崩壊する、といった状況が起こりえます。もう起こっているかもしれません。そうした場合、国外避難民が出ることもありえます。または、戦争が一段落ついたところで、隠されていた飢餓や貧困、暴力の問題が表に出てくるかもしれません。ロシアの人口は1億5000万です。シリアの内戦で国際社会は大きく揺れましたが、シリアの人口が1800万人。土地の広さも人口の規模も、けたちがいです。

なお、この点については朝日新聞で国際政治学者の藤原帰一さんが、「ロシアを含む国際秩序を築こう」という趣旨で朝日新聞に寄稿されていました。((時事小言)この戦争の出口は 「負け組」も包む国際秩序を 藤原帰一)この記事と方向性は同じだと思います。


【プーチンに対するNGな案】

ところで、プーチンを排除したいと考える人や組織は、こういう可能性を考えるかもしれません。

1.暗殺 2.クーデタ 3.傀儡政権 4.ロシア大統領府をミサイルで撃つ

まず、4.は一番威勢よく見えますが、愚策です。こんなことをしたとして、誰が責任をとれるのでしょう? または、反撃の核ミサイルが飛んで、核戦争になるかもしれません。論外と言えます。

1〜3はつながっています。

たとえば、欧米の諜報機関や特殊部隊が、プーチンを暗殺し、次にロシア内の反プーチン派にクーデタを起こさせる。さらに、次のロシア大統領にはアメリカらの言うことを聞く傀儡政権を立てる、といったシナリオです。

結論から言うと、これもよくないと思います。

中東の直近の歴史を見ても、アメリカはイラク戦争でフセインを殺しました。その後にアメリカ寄りの政権ができましたが、IS(イスラム国)の台頭は抑えられませんでした。シリアの政権もアメリカ寄りでしたが、ISの凄まじい攻撃により、シリアは荒れ果て、内戦は激化しました。

結局のところ、「他国が、うちの国の大統領を暗殺した(ないし、それに加担した)」という事実が広まってしまえば、ロシアの欧米への国民感情は恐ろしく悪くなります。また、ロシアほどの歴史ある大国に対して、傀儡政権が長続きするとは思えません。欧米側にしても、こんなリスクは取りたくないでしょうし、取れないと思います。


【現実的な国際秩序の回復を考える】

一番、現実的なのは、情報の提供と一部の武器の供与で、ロシア国内の反プーチン勢力を応援しつつ、決定的には内政に踏み込まないこと。そして、ロシア国内の勢力にクーデタを起こさせる、というシナリオではないでしょうか。

ただし、クーデタについても、過激な勢力や軍部が政権を取るのではなく、穏健な政権が立つことが望ましいでしょう。そして、すぐに国際社会が新しい政権を支持し、この政権が国際協調することと引き換えに、いずれは物資の支援や食糧の配給、制裁解除に伴う企業の進出などを通して、ロシア市民を守る方へ動くことです。

なお、そのためにプーチンを排除するのであれば、「暴力の爆発」や「力の暴発」ではない形で、コントロールを効かせながら、先を見据えて排除することが重要なポイントになるでしょう。

そして、ウクライナに対しては、国際社会は、停戦を最重要のことがらとして、復興を支援し、さらにクリミア半島も含めて、ウクライナの領土と主権を回復する方向で支持を固めるとよいでしょう。(ウクライナ領内やクリミア半島には、ロシア人も親ロ派の人たちもいるので、民族紛争にならないように注意を払いつつ。)

以上は、理想論ですが、なにも未来を描けないよりはよいと考え、書いておきます。


【まとめ】

要点は、ロシアのサステナビリティが国際社会のサステナビリティにもなるということでした。だから、今は「ロシア非難」で声を合わせるとしても、戦後を見据えるなら、ロシアと協調する国際社会のあり方を今から考えておくことが大事でしょう。

それから、この記事ではロシアの話ばかりしてしまいましたが、今はなによりも、ウクライナの国民の命を守ること、その主権と国土、生活と文化財を守ることが最優先です。目指すは停戦です。

今、私たちにできることは、適切な世論を作り続けることです。



2022年3月7日月曜日

ウクライナ情勢とこの後のロシアについて

以下、ウクライナ情勢をめぐって、主にロシアの今後についての考察です。

要点は、ロシアの内政が危機に瀕しているのではないか、その危うさが噴出し、ロシアが無政府状態や内戦を起こすことがあれば、国際的にも巨大な影響が出るという話です。中長期的に見ています。


【ウクライナ情勢の背景】

今、東欧ないし中央アジアにある小国ウクライナが、大国ロシアに侵攻されています。

ウクライナはもともと旧ソ連に属していましたが、ソ連邦崩壊で独立。地理的には、

・黒海に面している
・ヨーロッパとロシアの間にある

といった点で軍事的にも要衝です。

2014年にはウクライナの領土であるはずのクリミア半島(黒海)をロシアが併合しています。


【侵攻の理由とロシアの内政】

今回の侵攻は、突然で、また大義もなく、荒れ狂う暴力となっています。そのため、国際社会でもプーチン大統領に対する非難の声は高まり、世界各地でデモも起きています。


では、なぜロシアがこのような暴挙に出たのか、大きな理由は内政にありそうだと考えます。

旧ソ連として米ソで冷戦をしていた頃、ロシアは世界の二大大国の一つでした。しかし、冷戦後は、ITの時代への突入もあり、その波に乗ったアメリカが軍事と経済、両方の覇権国となりました。

他方、ロシアがプレゼンス(存在感。国際的な影響力)を発揮できるのは、


・核保有国である
・天然ガスや石油資源がある
・安保理の常任理事国で、拒否権を発動できる


これくらいでした。大国にしては、プレゼンスが弱いのです。

経済的には天然資源頼みで、すぐれた産業もなく、ソ連崩壊後、貨幣のルーブルは値下がりし、国際的に弱い通貨になりました。

経済も衰退していたのでしょう。国土がものすごく広いので、地方までインフラ(電気・水道・道路のほか、通信設備・wifiも含む)を整備するのは大変でしょう。


政治的にはプーチンの一強体制が続き、対外強硬路線を維持しました。

この間、政府に批判的なジャーナリストは毒殺されています。爆殺もありました。(「100%」政府がやったと言い切れるのかはわかりません。)

いずれにせよ、政敵を殺しながらの、諜報機関からの成り上がりであるプーチンは、「無敵の強者」を演出するブランディングによって、ロシアと自分を生き残らせてきました。

プーチンが倒れれば、ロシアが倒れるかもしれません。そのくらい一強の独裁体制といえます。


【なぜウクライナに急な暴力を加えているのか?】

さて、ウクライナに急な侵攻をして、大義(たとえば、ウクライナ領内の親ロ派を守るため、といった)もなにも掲げないのは、過激派武装組織ならともかく、大国のふるまいとしては異常です。なにか表に出ない事情があるのではないでしょうか。


たとえば、プーチンが癌で余命を宣告されている、精神疾患がある、難治性の病気にかかっている、などです。そして、ロシア経済が停滞し、社会インフラの維持も困難で、政治的には憎まれ、嫌われながらも独裁を続けるプーチンとしては、もう後がない状況なのでは、と想像します。


対外強硬路線で暴挙に出ても、「派手な戦争をやらかせる強面プーチン」「無敵の人」を演出しないと、ロシアの内政が崩壊する懸念を抱いているのではないかと思われます。もちろん、内政のみならず、自身の身を守る意味もあるでしょう。


【プーチン後のロシア】

しかし、この戦争がどういう推移をするにせよ、プーチンが以前の状態に戻り、安泰となり、老後は隠居して平和に暮らす、という未来はないと思います。国際社会も、ロシア内の政敵らも、若い世代も、そんなことは許さないでしょう。


プーチンは少なくとも政治的には、どこかの時点で抹殺されると思います。国際司法なのか、病気で動けなくなるか、内政で革新的な人物が取って代わるのかはわかりませんが。

問題は、その後でロシアがどうなるか、です。


一番よいのは、平穏に政権交代がおこなわれ、より若い世代の良心的な大統領と内閣が現れ、ロシアが民主化に向かう、という流れです。

一番悪いのは、クーデタや暗殺といった形でプーチン政権が倒され、政治的な内紛が、党派や財閥などの内紛につながり、ポストプーチンの権力をめぐって内戦が起き、ロシアが無政府状態になる、という流れです。


前者の場合は、経済がネックになるでしょう。お金が準備できて、それで雇用や産業を生み出し、国力を回復し、地方まで配分がうまくいけば、民主化も促されます。民主化も、結局は思想や良心よりも、お金の問題、というところは大きいでしょう。

後者の場合は、民衆が大変なことになります。2010年代に起こったアラブの春では、独裁政権が倒されても、その後で内戦・無政府状態に陥った国が、北アフリカ〜中東で多くあり、イエメンの人道危機、そして欧州への難民で話題になったシリアの内戦がありました。


【仮に、ロシアの内政が崩壊した場合】

これらと同様に、ロシアの内政が崩壊すると、人口規模で見ても、避難民や国内で困窮するひとが多く出るでしょう。

ロシアの人口は約1.5億人です。

参考までにシリアが約1800万人、日本は約1.2億、ドイツが約8000万です。また、経済的にも天然ガスや石油資源の豊富なロシア経済が停止した場合は、原油の高騰、それに続く物価の急上昇などが国際的に発生する可能性もあります。


なによりもユーラシア大陸の北でヨーロッパから中国までつながり、世界最大の国土をもつロシアが人道危機を起こせば、国際社会は非難より、むしろ救援に必死になり、収集がつかなくなるかもしれません。

ポストプーチンの政権が穏健でない場合、内政干渉も大きなポイントになって、介入は難しいでしょう。



【国の崩壊、人道危機、避難民・難民の歴史】

なお、シリアの内戦はIS(イスラム国)による暴力で、とてつもなく国土が荒廃し、ひとが死に、避難民が流出しました。日本だとNHKが取り上げていましたし、朝日新聞社は自社社員を現地に派遣していたようで、モスル陥落の写真やルポルタージュ記事を一面に載せていましたが、日本全体としては、ほとんど話題になっていない印象でした。

むしろ、シリアからの難民が欧州に着いて、欧州が彼ら・彼女らを受け入れたがらない、という問題の方がクローズアップされていたと思います。そのくらい、日本も、国際社会も、シリア国民の悲惨には無関心でした。


また、3.11も思い出されます。あの時は福島や宮城から、原発の影響を恐れたひとが多く、北陸や関東ほかへ移住しました。その移住先での生活が苦しかったり、差別があったり(彼ら・彼女らは放射能を浴びている、といった)しました。

それで、震災関連死と呼ばれる、震災後の避難生活のなかで亡くなるひとも、十年かけて漸増していました。自殺者も多かったようです。これも、日本の多くの国民は無視し、反応しなかったように見えます。政治家も復興というと、団地や防波堤のハード面ばかり話題にしてお金を落として終わり、という状況でした。


そして、今回のウクライナです。ウクライナの苦難は、まだ長く続くと思います。仮に停戦やロシアの撤退に早めにこぎつけられても、爆撃やミサイル攻撃で破壊された街の再建や、家族や人間の精神をズタズタにされたことの後遺症は、課題として残るでしょう。

国際社会や私たち一人ひとりは、10年後まで、そもそも来年の2023年まで、ウクライナ国民に深い共感を寄せて、支援し続けられるでしょうか?



【まとめ】

以上、考察の要点は、今後のロシアの内政が保てるか、内政が崩壊していく場合にはなにが起こりうるか、でした。

そして、ウクライナへの共感や支援が大切であるということ、しかし、直近の過去、シリアやイエメンの人道危機に対して、また日本国内の原発避難者に対してさえ、どれだけ私たちが冷淡であったか、ということの確認です。


今もまた、理知的で大局的な、そして冷静な眼をもって世界を見ること、歴史に学ぶこと、その重さと厳しさを踏まえたうえで、現状に対してじっくりと取り組むことが求められています。

こういった形で、私たちのエシカル(倫理的)や、地球と人間のサステナビリティ(持続可能性)は今も試されています。



2022年1月14日金曜日

2022年、大切にしたいことは「大局観」



2022年、スタートを切りながら大切に感じているのは「大局観」です。

エシカル・サステナビリティにおいては、俯瞰的・長期的にものを見ることが大事にします。これが大局観です。