2013年3月25日月曜日

幸福のガリンペイロ


たしか、ブラジルの鉱山労働者だったと思うが、「ガリンペイロ」と呼ばれる人たちがいる。彼らは、日がな大きな皿のような、三度笠をひっくり返したようなふるいを使って、砂金を採取する。黄色い砂のなかから、ほんのわずかな砂金が採れると、近くの両替屋でお金と交換し、その日の食べ物を得る。彼らは土にまみれ、座る場所は泥に汚れており、貧しい。

ちょうど、僕たちもガリンペイロのように生きる。一日一日のうちに、小さな砂金の粒のような幸せをやっと発見する。それで、一日分の苦しみとつらさに報いる。かろうじてその釣り合いを保てるならば、不幸の泥濘のなかで、今日を終える。その日暮らしの稼ぎ手。幸福のガリンペイロ。