2014年10月10日金曜日

【レポート】本のカフェ@函館、蔦屋書店

2014.9.20.(土)15:30 - 18:00


函館の蔦屋書店さんにて、本のカフェ第11回を開催してきました。函館の蔦屋さんは、"TSUTAYA"と同じ系列ですが、お店作りにこだわり抜いた高級志向のブランドで、代官山が1号店になります。2号店がここ、函館なのですね。




「書店」と言いつつも、化粧品から文具、音楽のレンタルと販売など文化的な要素が詰まった「文化のショッピング・モール」のような場所。子供が遊ぶスペースもあり。スターバックスも入っていますし、カジュアルからきちんとしたお食事までできるレストランも2階にあります。そして、とにかく広い。

ここは生活雑貨

右手にスターバックスのカウンターがある。


ふだんは撮影禁止なのですが、今回は、本のカフェ主催者ということで、とくべつに許可を得て店内を撮影できました。

中央広場のような場所



さて、2階のレストランFUSU(フースー)さんの個室にて、本のカフェが始まります。参加者は6名。(主宰を除く。)ほんとうはあとお二方来られる予定でしたが、やむを得ない事情でキャンセル。



自己紹介タイムでは、「好きな文具」というお題で各自、答えていただきました。マスキングテープを数十本(!)持っているという方から、ジェットストリーム(ボールペンですね。)好きがおふたり、キーボードにこだわりがあり、アームレストのあるものがよいとのご意見も。Macの大きなモニター、Kindle、猫のデザインの雑貨など。


一冊目は、『アラブから見た十字軍』。アラブの春はなぜその後うまくゆかないのか。素朴な疑問から紹介者さんが手に取ったのは、西洋の十字軍をアラビア側の資料をもとに描き出した本。キリストの墓を奪回するために、行く先々の村を焼き払い、略奪し、奴隷を売り、町を支配しながら進軍する十字軍が浮かび上がる。「歴史は覚えるものではなく、ひもとくもの。世界の認識が変わる。」と、もともとは歴史ぎらいだった紹介者さんの談。


 二冊目は、村上春樹『1973年のピンボール』。村上春樹では、初期の三部作(『風の歌を聴け』〜本作〜『羊をめぐる冒険』)が好きだという紹介者さん。ほとんどが比喩で書かれた小説。センテンスが短く、詩のよう。『ノルウェイの森』からヒット作を出し続ける春樹氏は、とあるインタビューで「風の歌を聴けと1973年〜は、失敗作」と言ったそう。また、「易しい言葉で難しいことを語りたい」とも。それで翻訳調の文体なのか。


三冊目は、イザベラ・バードの『日本奥地紀行』。イギリスの女性で探検家。明治の東北、北海道を探検した。横浜〜東京〜栃木〜新潟〜青森〜北海道とゆく。通訳兼助手を連れてのひとり旅。読みやすくイメージしやすい文章は「言葉の写真」のよう。日本人を格下にみてけなし方がきついものの、アイヌの人々を好意的に眺めてよく褒める。彼らの話の聞き取りもしている。紹介者さんは、伊達の善光寺の夕焼けの名文に惹かれる、という。


フリータイムは1時間。オーガニックコーヒー、ベイクドチーズケーキなど見るからに美味しそうな注文を追加しつつ、コーチャンフォーの展開、函館の本屋一覧の話など。ローカルトークで、「おばけトンネル」や昭和温泉。おいしい居酒屋や海釣りのポイントの話。リュートを流す「ほほえみ」という食事処があるという噂も聞きました、いまもあるのでしょうか。


今回は、初の函館開催でしたが、親切な蔦屋書店のスタッフの方々のおかげで、準備のときから大変、助けられました。また、受付・撮影を担当してくださったWさん、広報を手伝ってくださった方々、札幌から馳せ参じてくださった紹介者の方を含め、参加者のみなさまにも厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。函館、第二回があれば、またよろしくお願いいたします。

主宰・文責 木村洋平