2015年2月27日金曜日

【ご報告】本のカフェ第14回@札幌

2015.2.14(土)18 - 21時
詩とパンと珈琲 モンクール
参加12名
1200円(ドリンク、パン込み)


いつもお世話になっているモンクールにて、実はオーナーのご結婚をサプライズで祝福する本のカフェでもありました。

このふたりが結婚したのではない。

自己紹介は、恒例のテーマがあり、この日は「本とのかかわり」でした。「必要なものを読む」「物理的に本が好き」「昔は貧乏性で教養のために読んだが、いまは娯楽のため」「一冊をくり返し読む」。母が好きだった、子供の頃から本が好き、というひとも。反対に、子供の頃は苦手だったひともいます。アガサ・クリスティを好きなひとが多かったですね。


今回は、苫小牧からはるばるお越しいただいた朗読サークルの方から「読書会を開いてみたい」との声も。札幌でも、朗読は盛んですよね。


では、一冊目。『エブリ・リトル・シング』(大村あつし)は、ケータイ小説からのヒット作品。幼い頃、右足が義足になった少年が、体は大きいけれど脚が5本しかないクワガタを買います。いぶかしむ店員とのやりとり、ラストにささやかなやさしいシーン。ほか5編が収められ、それぞれに伏線を敷きながら最後につながる構成の一冊です。


二冊目は、角田光代『彼女のこんだて帖』。レシピのきちんと載っている料理本の体裁で、15の短い小説が集められています。こんだてのひとつひとつが、物語のなかで大事な役割を果たしながら、ゆるやかな鎖のように次のお話へ連なってゆく。料理が心の支えになったのは、スランプに入った角田さんの実人生の反映なのだとか。紹介者の方による素敵な朗読もありました。


三冊目は、三島由紀夫『午後の曳航』。横浜の山の手の未亡人とその息子が、船員と複雑な関係に入る。未亡人は船員に惹かれ、その部屋を少年が偶然にのぞき見る。不良グループに属するその少年は、母の恋人である船員の鍛えられた体に憧れ、英雄視するが、やがて絶望し……。イギリスを舞台に映画化され、ドイツオペラにもなった作品。


19時半から、フリータイムとなり、オーナーに花束を渡したあと、みんなでおいしいパンを食べました。シャンパンの栓も抜かれ、ビールが振る舞われ、陽気な会に。あちこちでローカルトークもはずんだようです。


いつもながらおいしいパンとオリーブオイルを提供してくださったオーナー、ありがとう&おめでとうございます。そして、参加者のみなさま、見守ってくれたみなさまにも感謝。。。

主宰・文責:木村洋平
スペシャル・サンクス、受付ほか:あのひと。写真:あの方♪


【書誌情報】
『エブリ・リトル・シング』、大村あつし、ゴマブックス、2007
『彼女のこんだて帖』、角田光代、ベターホーム出版局、2006(大型本)
『午後の曳航』、三島由紀夫、(古い単行本の初版本でした)