日時:2015.5.10.土 15-17時
場所:Cafe & Shop Seed
参加:10名
参加費:1500円
地下鉄、西18丁目駅から徒歩1分、カフェ&ショップのSeedさんで本のカフェ。オリーブオイルを使ったシフォンケーキとアイスクリーム、コーヒーや紅茶を片手に3人の紹介者さんがお話ししてくれました。
一冊目は、広瀬浩二郎『さわる文化への招待』。著者の広瀬さんは13歳のときに全盲になり、京都大学で博士号をとったあと、現在は民族博物館に勤務。「弱視、全盲、晴眼者」という言い方に対して、「触常者、見常者」という言葉遣いを提唱する。紹介者さんは点字についても説明。6つの突起で50音と濁点、拗音を示す。「きれいな」点字は、突起の高さ(打つ強さ)や間隔がわかりやすいものだという。点字が並ぶプリントを配布してくれました。
二冊目は、鹿島茂訳『パンセ抄』。NHKテレビテキストも添えて。『パンセ』はパスカルの著書だが、未編集の断章が原稿として残されたもの。後世のひとが編纂した。デカルトの思想に対抗して、キリスト教を擁護する(神なしの世界観は許容できない、として)立場をとる。こうしたところが現代の日本人にはわかりにくい部分もあるが、格言のような内容は現代に十分、通用する。空手家の大山倍達の座右の銘はパンセの一節、という話も。
フリータイムでは、三冊目の話題から「子どもの貧困」や「虐待」のテーマに話が及ぶ。まじめな勉強会のような雰囲気もありつつ、有機珈琲をおいしく飲む和やかな場面もあり、おしゃべりをしながら二次会へ続きました。
主宰・文責:木村洋平
写真:N.Y.
【書誌情報】
『さわる文化への招待ー触覚でみる手学問のすすめ』、広瀬浩二郎、世界思想社、2009
『パンセ抄』、ブレーズ・パスカル著、鹿島茂訳、飛鳥新社、2012
『ベーシックインカムとジェンダーー生きづらさからの解放に向けて』、共著、現代書館、2011