2015年5月21日木曜日

雨と木曜日(47)

2015.5.21.

今回は、ウクレレ「カイマナ・ヒーラー」〜ネルソンズコーヒー〜スピノザ『神学政治論』。


ウクレレで「カイマナ・ヒーラー」を練習している。ハワイアンの定番曲。まだ初心者もいいところ。しかし、ハワイ語はおもしろい。イワホー、マーコウ、イカポーネーイー、アイケー、イカナニ、カイマナ・ヒーラー♪ 子音がたしか7つか8つしかないはずだ。池澤夏樹さんの『ハワイイ紀行』にも書いてあった。また、文化人類学者・言語学者のダニエル某さんによると、そういう子音の少ない言語はニューギニアとアマゾン先住民にも見られる。

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仙台の友人から「ネルソンズコーヒー」をいただいた。焼き色の浅い、きれいな豆だ。挽くのが楽しい。ゴリゴリ、ガリガリ。そうして、ふうわりと立つ香り。枕草子じゃないけれど、「春は浅煎り」。酸味のきれいな、それでいてボディの弱くない、がっしりした珈琲豆だった。こういうこだわりのお店が地域にぽつんと(あるようだ。都心部ではなく)立っているのは素敵だ。カフェインが強くてくらっと来たけれど、久しぶりに鮮度の高い豆を砕いた。

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スピノザの『神学政治論』新訳を読む。まだ上巻の200ページくらいなのだが、岩波文庫の旧訳とはずいぶん雰囲気がちがう。口語調というのか、言葉の選び方も堅くない。よい訳なのか、原典を知らないが、読みやすく注も充実している。ページの終わりに脚注がついているのは、ささっと目を通せて抜群。聖書のテキストクリティークを当たり前のように始めて、遺稿『エチカ』の思想もばんばん出てくる奇妙なこの書物は、非難も誤解も受けたわけだ。


【書誌情報】
『神学政治論』上下、スピノザ著、吉田量彦訳、光文社古典新訳文庫、2014