2015年5月30日土曜日

Q&A「ビッグイシューってなに?」第2号


前回、Q&A「ビッグイシューってなに?」では、雑誌ビッグイシューを初めて知るひとに向けて、紹介してみました。さて、今回はもう一歩、踏み込んでみましょう!


Q「ぱらっとめくった感じ、よさそうな雑誌ですよね。社会貢献が目標だからって、中身は手抜きじゃないんですね!」
A「もちろんだよ!どのコーナーもかなり充実していると思うよ」

Q「うーん、これって、ぜんぶ読むものなんですか」
A「読者アンケートによると、隅から隅まで読む、というひとが1/3以上はいる。ちなみに、アンケートでいうと購買層の男女比は、女性が66%

Q「女性に人気があるんですね!」
A「ビッグイシュー日本版(2003年より)が始まってから一貫して、買う人の6,7割が女性なんだって」

Q「最新号はこれですね。あと、バックナンバーもたくさんあるのですよね。おすすめはありますか?」
A「どれも面白いけど、そうだなあ、表紙特集でまずは選んでみたら?」

Q「ふむ。表紙はハリウッド俳優やミュージシャンも。オアシスもいますね!ジョンとヨーコ、ダライ・ラマにミッフィーかあ。彼らは表紙に載っているだけですか?」
A「いいえ。毎号、最初の方にインタビュー記事があります。たしか、彼らはみんな無償で写真も取材も受けているはずだよ」

Q「それは素敵だな。彼らも社会貢献しているわけですね。ところで、中身は決まった構成があるのですか?」
A「うん、ざっと見てみようか。

1ページ目がたいてい日本人のインタビュー。ここは各界のキャリアを積んだひとが人生の転機を語るコーナー。「私の分岐点」。

2ページ目からは表紙のひとへのインタビュー。

そのあとコラム記事が並ぶ。経済、原発、ケニアのエッセイ、それから各国情勢から3つの記事など。

後半は、「特集」記事だね。貧困、若者就労支援といった社会問題から、サイエンス、ファッションやフリーマーケットなど身近なムーブメントの紹介まで。

さらに、文化系のコラムが続いてから、読者の「声」欄がある。最後に、ホームレスのひとが人生相談をする、という面白いコーナーもあるよ」

Q「ふむふむ。わかってきました。とりあえずは、特集がメインになるんですね」
A「そうだね、バックナンバーから選ぶなら、まずは特集に注目だね」

Q「ほかのコーナーもちょこちょこユニークですね」
A「僕が好きなのは、冒頭の「私の分岐点」。各界で活躍されている方々が、人生の荒波やささやかなきっかけをどんな風に大事にしてきたかが見えてくる」

Q「この、世界情勢がわかるコーナーもよさそうじゃないですか?」
A「そこは貴重だよ。よくある「国際ニュース」ばかりでなく、現地に密着したひとコマを切り取ってくれるからね」

Q「ホームレスの人生相談、というのもユニークですね。ホームレスのひと「が」相談に答えるのですよね?」
A「そう。温かみがあふれる回答で、豊富な人生経験を背景に、いつもじんわり沁みるね」

……と、こんな風に楽しめる雑誌、ビッグイシュー。ホームレスのおじさんたちは、街頭でみかけると近づくのがちょっとこわい、と感じるかもしれないけれど、もともと女性の購買者の方が多い雑誌、勇気と知的な好奇心をもって声をかけてみては!

販売者さんたちも常連さんたちとコミュニケーションをお互いに楽しんでいるみたいですよ。僕もよくしゃべる販売者さんがふたり、札幌にいらっしゃいます。これからも、みなさま、販売者の方も、ボランティアスタッフの方も、よろしくお願いいたします。

作家、木村洋平