2015年7月16日木曜日

雨と木曜日(55)

2015.7.16.

今回は、「台湾茶のお店」〜ミカフェートの珈琲〜『中世音楽の精神史 グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』。


台湾茶のお店ができたと聞いて、茶舗茶問(チャホサトイ)へ行って来ました。札幌は円山の商店街にこぢんまりと佇む。店主はにこやかで話し好きそうなおじさん。開店して一年ほどだとか。独特な内装は、半分がコンクリートの洞窟のようで、もう半分は木製の落ち着いた壁と棚。土管を利用した湯沸かしの台など、随所にアイデアが見られる。アイスのお茶を一杯飲むもよし、本格的なティーセットで1時間半ゆっくりされるもよし、と。

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元麻布に本店のあるミカフェートは、2014年の9月に札幌ジュンク堂内にオープンしたカフェ。全国に展開しているが、本屋のなかにあるのはここと松本の丸善か。「完熟チェリー」と呼ばれる完熟の珈琲豆だけを収穫するのが売り。エルサルバドルと縁が深いらしく、たしかに酸味の利いたコクのあるおいしい珈琲。お手頃のブレンドから、800円のブルーマウンテンブレンドが並ぶことも。読書や勉強をしながら、思い思いのひととき。

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『中世音楽の精神史』を読んだ。中世ポリフォニーの発展を、とりわけ「大学」のなかに見て、デュファイの手前で終わる。自由学芸の四科(算術、幾何学、天文学、音楽)に含められた「音楽」は数の学問として、どう捉えられていたか。ボエティウス由来の数比に基づく音階は、調和の学問であった。また、マショーの時代にはリズムの表記法が整備されてゆく。実践で歌う「カントル」とは区別された「ムジカ」(=音楽家)の世界が開ける。


【書誌情報】
『中世音楽の精神史 グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』、金澤正剛、講談社選書メチエ、1998