2015年12月10日木曜日

【ご報告】第26回本のカフェ+忘年会@札幌

日時:2015年12月5日(土) 19:30-23:00
場所:詩とパンと珈琲 モンクール
参加者:19名+主宰
参加費:2000円

大通公園の風景

はじめにぐるりと自己紹介していただいて、それから持ち寄った本の紹介へ。今回は、ひとり5分(ふだんは15分)。大勢だったので短めの形式をとりました。



一冊目、『猫のゆりかご』(カート・ヴォネガット・ジュニア)は原子爆弾と、世界を凍らせる物質の物語。ミシェル・ウエルベックに似ている、との指摘。ディストピアで原始の宗教が出てくるところ。


二冊目は、『一千一秒物語』(稲垣足穂)。流星と格闘した話など、月や星の出てくる幻想短編集。たむらしげる画の絵本もよい。

三冊目は、内田洋子『カテリーナの旅支度』。イタリアのエッセイと言えば、須賀敦子さんが大御所だが、あの重厚な感じとはまたべつの味わい。短編小説のようで、登場人物の人生の重みも切り取るが、表題作は味も素っ気もない、とのこと。そこも面白そうだ。


四冊目は、『科学でわかるお菓子のなぜ?』。お菓子作りが趣味の紹介者さんによる。フランスではスイーツもアートとみなされている。伝統的なお菓子作りの知恵が、実は科学的な根拠をもつエピソードも。

五冊目は、『ガリレイの生涯』。ブレヒトの戯曲で、光文社古典新訳と岩波で文庫化されている。第二次大戦前のドイツで書かれ、教会から異端扱いされて裁判にかけられたガリレイに、ナチスのもとでの「真理」の姿を託す。寓話。


六冊目は、『風が強く吹いている』(三浦しをん)。素人の集団が箱根駅伝を目指すお話で、荒唐無稽とも思える設定に批判もあるが、感動も大きい。


七冊目は、『9つの性格』。エニアグラムの書。一世を風靡した。人間関係を良好にするためのヒントがあり、実用書と思って使える、とのこと。

八冊目は、『20世紀エディトリアルオデッセイ』。20世紀に日本で発行された雑誌を歴史的に追いかけてまとめる。雑誌まんだら。「インターネットに足りないのは編集という武器だ」という挑戦的な帯の文句。


九冊目は、『シャイニング』(スティーヴン・キング)。ホラー小説。紹介者さんは、小説を頭のなかで映像化して読むそうだけれども、この作品は何度も記憶に蘇ってくるという。

紹介は以上でした。


20時半からは、パンや持ち寄りのおつまみが運び込まれ、忘年会へ。21時半で一応、締めましたが、多くのひとは23時まで残り、途中参加・退席の入れ替わりもありました。わいわいがやがや。


モンクールさん特製シュトーレン、スパークリングワイン、ボジョレー・ヌーヴォー、オリーブの実など、12月らしい雰囲気になりました。持ち寄りをいただいたみなさん、ありがとうございます。


モンクールのオーナー、スタッフのRさん、ご参加いただいたみなさま、SNSほかで応援いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。よいお年を!



主宰・文責・写真:木村洋平
写真協力:Aさん