2016年10月16日日曜日

パウロ・コエーリョ『11分間』より

コエーリョの『11分間』を読んで、一番印象に残った箇所はここ。


なお、主人公は若い売春婦のマリーアで、ブラジルからスイスへ出稼ぎに来ている。

「今では彼女は、「コパカバーナ」[売春宿]での経験を通じて、ひとりぼっちだと感じているのが自分だけではないことがわかっていた。そしてまた、人間は一週間なら喉の渇きに耐えられ、二週間なら空腹にも耐えられ、屋根がなくとも何年間も生きられるのだが、孤独にだけは決して耐えられないことがわかっていた。孤独こそがすべての拷問のなかで、あらゆる苦しみのなかで、最悪のものなのだ。あの男たち、彼女と一緒にいたがるあのたくさんの男たちは、彼女と同じく、この破壊的な思いーーこの世に誰も自分のことを本当に気にしてくれる人がいないという感覚ーーに苦しんでいるのだった。」(p.123)