2016年11月10日木曜日

雨と木曜日(104)

2016.11.10.


木曜日更新のエッセイ。
今回は、季節は冬へ、年末の気分〜コーヒーバネット〜『天使とは何か』(中公新書)。



季節は三日ほどの快晴に心地よさを漂わせて立冬(11月7日)へ。あっという間に朝晩の冷え込む週半ば。せわしないなかで無理の利かない体を抱えて、なんとかかんとか変化に応じる。11月はもう年末といった気分で、夜の帳も早々に落ちる都心へ出る。カナダの友人にも早めにクリスマスカードを送ろう。夜には疲れ切った体を翌朝までに回復できないことも。素敵なCDが3枚、届いたのが嬉しい。それぞれライナーノーツも楽しみ!

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コーヒーバネットがお気に入りになってしまったので、またその紹介を。ユニフレーム製のアウトドア・コーヒードリッパーなのですが、写真の通り、スプリング状になっているため、空気の出入りがよく、ガスが抜けるのか入るのか、とにかくとても美味しく豆の風味が出る。家で愛用中。価格は2000円ほど。円錐形のペーパーフィルター(三つ穴用の平底ではなく)を用意する必要はあるものの、珈琲好きには試してみてほしい。


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『天使とは何か』。美術と思想のすぐれた研究者で、著書・訳書の仕事量も膨大な岡田温司さんの本。神学的な天使論…とはちょっとべつの角度から博識を惜しみなく発揮。まずは、天使がプットー(翼のある子供)やアニミズム的な霊の化身として描かれた古代〜中世史から、異教とキリスト教の境界線が曖昧で、習合さえあることを例示してゆく。そこから、聖チェチリアをモチーフに音楽思想と絵画表現、イエスが天使とみなされた歴史、現代の天使へ。


* 疾走する天使のイマージュ乱舞は、歴史に強く学術を充実させる中公新書にぴったり!

『天使とは何か』、岡田温司、中公新書、2016