2017年5月11日木曜日

雨と木曜日(127)

2017.5.11.


木曜日更新のエッセイ。
本作りのデザイナーさん*『コーヒーの科学』*『生きているジャズ史』。


本作りの打ち合わせでユニークなデザイナーさんと出会った。方向性を決めるのに「変な喩えだけど、歌舞伎座でストリップをやりたいの?ストリップ劇場で歌舞伎をやりたいの?」と質問される。要は、形式と内容のどちらがポピュラー路線なのか、ということだが、たしかに変な喩えだ……。そのあと、食事をごいっしょしたら、Macが本体40万円、ブラウン管のディスプレイが10万円だった時代の話なんかを聞いてこれも新鮮だった。

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『コーヒーの科学』という本がブルーバックスから出ている。読んだ友人の話では、「一日2,3杯まではおおむね健康によいそうです」。僕も本屋の店頭でぱらぱらめくってみた。気になったのはやはり健康にかかわる部分で、これは個人差も大きいとのこと。面白いのは、コーヒーを空きっ腹に飲んだとき、胃にむかつきを覚えることがあるのだが、これはカフェインの作用ではないそう。とすると、ノンカフェインコーヒーでも胃を痛めうるのか。


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『生きているジャズ史』(油井正一)が文庫化されている。以前、同じ著者の『ジャズの歴史物語』を読んだが、内容はかぶっている。新刊・文庫で気軽に読めるのはいいね。世代が上のひとなので、ジャズの発生から初期のエピソードはとくに詳しく、生々しいアル・カポネのシカゴが描かれたり、黒人奏者のひどい差別(同じ宿に泊まれない!)を淡々と記したり。独特のユーモアある文章に引き込まれ、ジャズが進展するわくわくを共有できる。

『生きているジャズ史』、油井正一、立東舎、2016