2017年9月28日木曜日

雨と木曜日(145)

2017.9.28.

下北沢B&B

毎週木曜日に更新のエッセイ(今回は二週ぶり)。この「雨と木曜日」、今後の継続を迷っています。
今回は、ルタオのお菓子*『アンドレイ・ルブリョフ』*『哲学散歩』(木田元)*哲学カフェの話。



ルタオは小樽のお菓子メーカー。空港での存在感も強めている。焼き菓子しか食べたことがなかったが、フロマージュ・ドゥーブルという二層のチーズケーキをいただいた。すーっと溶けていくような食感が不思議。

タルコフスキーの『アンドレイ・ルブリョフ』を2時間観た(全3時間)。14〜15世紀を生きるイコン(聖なる絵)画家アンドレイ・ルブリョフの苦悩を中心に、当時の民衆や世相を描く。ロシアの中世史というだけでも面白く、またモノクロとあいまっての退屈さもある。誰かが「すぐれた芸術作品には退屈さがある」と書いていたが、それはほんとうだと思う。


本屋で手にとって、どの見開きからも手ごたえを感じた本『哲学散歩』を一晩で読んだ。ハイデガー研究の大家、木田元による哲学エッセイだが、古代ギリシアから中世にもページを割き、20世紀独仏まで。幅広いだけでなく、うまいまとめ、観点のユニークさ、丸くてやわらかい文章、楽しかった。


哲学カフェにかかわりの深い方とお話しした。哲学カフェに来る多くのひとは、専門的というより、「ふだんひとに理解してもらえないタイプの疑問」を語る機会や「コミュニティ、居場所」を求めて来る、主催者によってもカラーのちがいが出るとのこと。ご本人もふだん本をあまり読まないけれど、カルチャーセンターで哲学を学ぶと面白い、と。

哲学カフェ含め、社会的な面の強い活動「哲学プラクティス」について交流を深める団体の大会が10月22日にあります。http://philosophicalpractice.jp/

今週のおすすめ音楽:エル・バシャ(p)のラヴェルやロシアもの、高橋悠治のジョン・ケージほか。

新刊『遊戯哲学博物誌』(木村洋平著)についてはこちら

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