2018年4月13日金曜日

辻村深月『かがみの孤城』

本屋大賞2018に選ばれた『かがみの孤城』。



始まりは、住野よる『また、同じ夢を見ていた』を思い出す印象。やわらかく易しい文章で、ひとりきりの少女を描く。そこから、『ハリー・ポッターと賢者の石』を思わせるような仲間とのファンタジーへ。ラストの方は、エンデ『モモ』や『はてしない物語』を連想しました。

500ページ超えの本ですが、一気に読ませるのは、人間関係の微妙さとミステリーがうまい引きになっているから。設定に無駄がなく、満足感につながる。

ちなみに、4月13日の「天声人語」は『かがみの孤城』が学校に行けない少女を描いた──というところから始まるのですが、朝日新聞は土曜日に4紙面を使った書評欄を組み、ライトな本も取り込んで、本を応援していますね。

話題の一作。童心に返るエンターテイメント!