2018年4月17日火曜日

『遊戯哲学博物誌』の案内板 その5

その4からのつづき。


今回は、閑話休題。書き終えての感想を書いてみます。

書き手としてまず思うのは、「まえがき」がうまく書けなかったな、ということ。本文は「哲学への衝動」に突き動かされて前へ前へと書けたのですが、いざ、読者との架け橋となる序文を書こうと思うと、どうにも書きあぐねて何度も書き直しました。

……結局、最後まで満足は行かず、いまだに歯がゆい思い去らず、こうして「案内板」を書いているわけです。

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さて、この本は、3行の「節」が2000ほど集まってできているのですが、──それらは分節化され、ネットワーク状につながっている(たとえば、「あ/6」という節は「た/1」という節を参照する)とともに、最初の節から最後の節まで、通読できるようにもなっている──書き手にとって、なかなか気に入った節もあれば、そうでもない節もあります。

また、それとはべつに「章」単位の「お気に入り」や「気に入らず」もあります。たとえば、倫理にかかわる2章(【の】倫理について【は】善く生きることについて)や最後の2章はお気に入りです。

それに対して、【ひ】人間について【へ】徳について などは、無駄なところがあるのか、書き手にもわかりませんが、「やや長い」と感じます。

【よ】制度について なども後半の「共同体」にかかわる分析の一環であり、どうしてもはずせない部分だけど、なんだかネガティヴなところがあり、いまいち気に入ってはいません。

こういう感覚が、きっと読者の方にも生じるでしょう。

この世界の見取り図を描く全43章

長くなってきたので締めますが、その6では、全体の構成をおおまかに整理してみたいな、と思っています。なにしろ、章が43もあるので……もっと大きなまとまりの単位を提示してみたい、です。