今回は、全体の構成をおおまかに整理してみます。全43章を6つくらいに分けられるでしょうか。
【い】遊戯について
【う】Lebenspiel について
このあとが、「世界」について語る章です。世界の成り立ち、地球の始まりから終わりまで。
【え】精神について
【お】配置について
【か】親和力について
【き】オーラについて
【く】存在について
【け】記憶について
【こ】宇宙の塵とひとりのひとについて
ここからは雑多になり、肯定的な概念を規定していきます。各論の感もありますが、相互にネットワーク(節から節を参照)しておぼろげな全体像を結びます。
【さ】表現について
【し】展開について
【す】知の営みについて
【せ】思考について
【そ】論理について
【た】物語について
【ち】運命について
【つ】真理について
【て】言葉について
【と】意味について
【な】概念について
【に】理念について
ちょっと変わり種なのが「【す】知の営みについて」で、これは後半の共同体論、社会論につながっていきます。また、「【な】概念について」と「【に】理念について」はまさに概念を作るこの本への自己言及でもあります。
【ぬ】幸福について
【ね】自由について
【の】倫理について
【は】善く生きることについて
【ひ】人間について
【ふ】愚かさの混沌について
【へ】徳について
【ほ】身体について
【ま】生命のリズムについて
【み】生態系について
【む】肯定と否定について
【め】多様性、複雑系、生成変化
このあたりは、「【は】善く生きることについて」を頂点とする「倫理」のパート。そこから、生命論、そして肯定的なキーフレーズとなる「【め】多様性、複雑系、生成変化」へ。
ここから先が共同体論、また社会論です。いままでの各章は、いわば宇宙から地球を見下ろすように哲学の概念を練り上げてきましたが、ここでぐっと現実の世間に近づくところがあります。
【も】共同体について
【や】文化について
【ゆ】モナドについて
【よ】制度について
【ら】資本主義、帝国主義、全体主義
このあたりは、重い内容かと思います。「社会」を近代的な共同体のあり方として規定しながら、批判しています。そのなかで、光を見出すかのようにすぐれた生き方として「モナド(単独者)」として生きる道を指し示します。
【り】伝統、作品、普遍性
【る】友情について
【れ】パラドックスについて
【ろ】不思議について
芸術や哲学の位置づけについて触れる「【り】伝統、作品、普遍性」からゆるやかに本のまとめに入るような格好。友情のための哲学(【る】友情について)。
そして、結びや跋と言える2章(【れ】パラドックスについて【ろ】不思議について)をもってこの本は閉じられます。
その7はこちら。