『かかわり方のまなび方:ワークショップとファシリテーションの現場から』(ちくま文庫)を読んだ。小休止している本のカフェを再開するヒントが得られた。
著者の西村佳哲さんは、ユニークな「働き方研究」で名を揚げたひと。「仕事」から「人と人とのかかわり」に視座が移っていった、と述懐している。
前半は15人のファシリテーター(的なひと)へのインタビュー。
テクニカルなことよりも、「ファシリテーターとはなにか」という根本への問いかけを念頭に置いている。それは人間性や腹の座り方にかかわる、存在やあり方のこと。それが場を作る。そして、彼らはコンテンツや結果よりも「プロセス」に働きかける。個性豊かなインタビュイーたちの地に足のついた答え方がそれぞれエキサイティング。
後半は、歴史的な視座も含めて、ワークショップとはなにかが考えられ、著者の思索の断片が収められる。やや抽象的だが、出てくる具体例はヴィヴィッド。
よい衝撃を受けた本でした。