「人間、眠るときはひとり」と思った。
いつか、知人の家に招かれてダブルベッドの寝室を見たとき、隣にひとがいる、というのは安心するものかもしれないな、と思った。
けれど、昨夜ふと、眠りの前後をふくめて、眠っているときというのは誰しもがひとりきりなのだ、と感じた。
不眠であれ、悪夢からはっと目覚めたあとの後味の悪さであれ、中途覚醒してうつらうつらするときであれ、あるいはなにか発作でも起こしてしまったとしても、ひとりきり。
ぱっちりと目が覚めて行動を始めるまでは、誰とも交流できない。そんな風に考えた。
ねむるのって、こわいなあ。
子供の頃からそう思うひとはいるようだけど、ぼくは大人になってやっとその気持ちがわかる。