2020年6月28日日曜日

宇宙遊戯のはじまり


ずっと広大な宇宙へと眼を上げ ひとり海の面に佇む
水よ なにを湛えているのか 一つの金貨かそれとも星空か
笑いも木霊しない冷たい土地へ いざ足を歩ませようと
それでためらうのか 真面目に降り止まない雨を遡ろう

そこに何が見える 青い地球か ともすれば バッハの鍵盤か
鳴りわたる歌があるのに ぼくの両耳はまだ聞き取らないのか
惑星がこんなにもあざやかに 遠くで近くで蹴鞠をするか
さんざめく海の波音が エーテルを伝って足元に寄せないか

さあ はじめよう 遊戯を この宇宙にゆきわたる
点の音楽を眺めながら かつてない宇宙遊戯を──