2020年11月5日木曜日

【詩歌】夏と秋の詩、歌、俳句

2020年の夏と秋に詠んだ詩、和歌、俳句をまとめる。

<夢の情景>

私は湖の底に立った。
一つの鉱物があった。ガラスのようにありふれており、水晶のように砕ければ砕けそうに見えた。
湧水があった。水の流れはなかった。


凍える者よ おまえにも 幸あれと 幸あれかしと 願うわれはも


どぶ板を洗う手際や箱根町

湯の本のペンキ屋背筋伸ばしたる

朝起きていっぺんに咲く彼岸花

たそかれの靄の明かりに柿実る

白鷺の首の長さや秋の風


みかつきは社の杜にかかりけり ともしび抜けて賽投げ入れむ

みかづきの雲間に昇る舟なれば 誰かのための灯しなるらむ


上弦の月や青さの染みる頃


夕星(ゆふづつ)に静かに暮れてゆくものか 秋の祈りを古家に寄せて

ウクレレをつま弾く夜や秋深み 常と変わらぬ宵の明星

鎮もれる夜にカノンを捧げけり 御空に美しき宵の明星