以前から、「成功」という言葉を中心に「社会的にどうあるのがよいか?」を考える時、立ち止まる言葉があります。
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それでも
人々は、理性を失い、非論理的で自己中心的です。
それでも彼らを愛しなさい
もし、いいことをすれば、人々は身勝手だとか
なにか隠された動機があるはずだ、と非難します。
それでもいい行ないをしなさい
もしあなたが成功すれば、不実な友と、
ほんとうの敵を得てしまうことでしょう。
それでも成功しなさい
あなたがしたいい行ないは、明日には忘れられます。
それでもいい行ないをしなさい
誠実さと親しみやすさはあなたを容易に傷つけます。
それでも、誠実で親しみやすくありなさい
あなたが歳月を費やした建物が、一晩で
壊されてしまうことになるかもしれません。
それでも建てなさい
ほんとうに助けが必要な人々ですが、彼らを助けたら
彼らに襲われてしまうかもしれません。
それでも彼らを助けなさい
持っている一番いいものを分け与えると、
自分はひどい目にあうかもしれません。
それでも、一番いいものを分け与えなさい
(カルカッタの「孤児の家」の壁に書かれた言葉)
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マザー・テレサの宣教会が運営するシシュババン(孤児の家)に書かれていたそうです。
誰が書いたのかはわかりません。マザー・テレサの言葉を聞いて書き留めたか、アレンジしたのかもしれません。
『マザー・テレサ語る』ルシンダ・ヴァーディ編 猪熊弘子訳 早川書房 1997
原題:"A Simple Path" 原著は、AmazonのAudible(オーディブル。朗読を聴けるサービス)にも入っています。