2021年8月22日日曜日

SDGsからESGへ:エシカルとサステナビリティの現在のトレンド



空が綺麗に撮れると、緑色(エメラルド色)が入るので、「エシカルSTORYのロゴカラー」を思い出します。


さて、エシカルとサステナビリティの現在について、エビデンス(論拠や実証)がないので「エシカルSTORY」には載せられない話を書いてみます。

エシカルSTORY代表として活動するなかで、体感として「こうかな?」と思っていることです。

***

メガトレンドとして、日本では「SDGsからESGへ」の流れが生まれつつあります。

SDGsは国連が定めた目標です。17個のカラフルなラベルを見たことのあるひとも、多いでしょう。標語は「誰ひとり取り残さない」です。

SDGsは、世界では「そこそこ」の流行り具合なのですが、日本では「SDGsこそ、大事」というイメージがいまだに強いようです。官製で旗を振った結果だと思います。

そして、「SDGsは ≒ 狭い意味での環境問題?」と思っているひとも日本では多いようです。

根っこには、気候変動をはじめとする「サステナビリティ」(地球環境と社会の持続可能性)の問題があります。

これが世界のメガトレンドで、この10年くらい世界は欧米を中心に、サステナビリティのことを考えています。

他方、日本はなぜかこの2,3年でやっと「SDGs」が流行った感があり、ズレがあります。逆に「サステナビリティってなに?」というひとも9割ではないかと思います。「SDGs」ならまだ見聞きしていても。

こんな風に、日本ではエシカル/サステナビリティ/SDGsについても表面的な理解が主流で、世界のメガトレンドに乗り遅れているのでは、と思われます。

***

それで、SDGsからESGへ、ですが…

日本では、今、やっと「SDGs」が流行っていますが、これが近いうちに「ESG」に取って代わるだろうと僕は思っています。まずは、投資家などお金のあるひと、組織から。つまり、大企業や外資、官庁などがそう動くのでは、と見込んでいます。

ちなみに、国際社会も「サステナビリティ」だけだと「よいことしよう!」という道徳的なニュアンスがつきまとうのか、物足りない感じはあるようです。「お金とシステム」をしっかり巻き込んだ「ESGが大事」という流れになってきているのではないでしょうか。

***

ESGというのは、「金融と投資」というお金の流れを中心に「サステナビリティ」を捉え直す動きだ、といえばわかりやすいでしょうか。サステナビリティの一つの捉え方ともいえます。

ESGは投資を重視し、サステナブルな投資に基づく経営をうながします。

世界の投資で一番お金を動かしているのは、ブラックロックという投資資金の運用会社です。日本で一番お金を動かしているのは、GPIFという略称で知られる年金基金であり、世界的にも巨大な額を持っています。

こういった機関投資家が、サステナビリティのない企業(環境破壊や人権侵害をする企業)には投資はしない、サステナブル(地球環境も社会も、本体の事業も持続できる)で、エシカル(倫理的)な企業に積極的に投資する、という動きが世界的に活発になっています。

これがESGの姿です。

お金が動くと、ひとも組織もみんなが動き出すので、世界のサステナ・エシカル界隈は、ESGブームです。

これが日本にも上陸するでしょう(もう端緒はついています)。そして、広まるでしょう。誰にとっても、お金や数字(各種の評価指標)は目に見えるし、システム作りなら得意なひともいるからです。

とはいえ、ESGが言葉として、考え方として、また投資手法、かつ経営の肝として、定着するには時間がかかるでしょう。早くて5,6年、それでやっと大企業や東証一部上場の会社などが、理解し、経営の方針を変える感じではないでしょうか。

(もっと早いかもしれませんし、日本では根付かない可能性もあります。その場合は、日本は経済の後進国になるでしょう。)

一方、個人投資家と中小企業は、ESGを知らないひとが7,8割という状況が続くかもしれません。

世界でも個人投資家はまだESGに乗っていないとのことです。

ですから、機関投資家がESGをやっている段階です。それでも全世界のマネーの1/3は動いているので、1/3の投資マネーはESG化しているのが現状です。

***

今、国際社会で最大のトピックは、気候変動です。
それに次いで、感染症対策です。

そういうリスク評価を、世界経済フォーラムかどこか(忘れてしまいました!)がしています。つまり、世界のトップクラスの研究機関や行政、財界人の合意はそのあたり、ということです。

このあたりも、日本はズレていて、西日本豪雨、巨大な台風が起きても「異常気象で今年も大変だ」「地球がなにかおかしい」という、フィーリングで受け止められているように思います。

豪雨をはじめ気候の異常は、地球温暖化の結果です。温室効果ガスにより、気候が安定性を欠いて、予測不可能な自然災害が多発する、という「気候変動」(クライメート・チェンジ)の問題です。

グレタさんが、国連で「ハウ・デア・ユー!(よくもそんなことを!)」と発言したことが話題を呼んだ、あの気候変動です。

したがって、サステナビリティのテーマとしても「気候変動」が一番、重視されています(世界でも年々、被害が相当に大きくなっています)。

そして、気候変動に伴い、また環境破壊に伴って、地球の生態系が激変することで、「感染症」も発生確率が上がると考えられています。(コロナもそのひとつであると理解されています。)

このように、サステナビリティは、どこかで保護団体が環境運動をしたり、裕福なひとが慈善事業をしたりという「一般人に関係ない話」ではまったくなく、環境運動も慈善事業もすべてひっくるめて、身近な課題に直結する問題です。

ただ、それがあまりに世界規模で巨視的、また領域横断的な話なので、現実感がわきにくいのだと思います。ぱっと「サステナビリティってこういうことだよね!」というイメージがわきづらいでしょう。

だから、敬遠されがちですね。カタカナ、英字も多いし、翻訳しても「持続可能性」と言われたら、やっぱりピンとこなかったりします。

しかし、目の前の緊急で重大な問題なのです。

***

最後に、「じゃあなんで、「サステナブルSTORY」や「ESGストーリー」というサイトでなく、「エシカルSTORY」なのか」という話をします。

エシカルというのは、生き方の倫理であり、「いかに生きるべきか」やわらかく言えば「どうやって生きていくのがよいだろう?」という問いです。

当たり前ですが、お勉強して世界のサステナビリティに知見を持っても、実人生でそれを自分の肩書取りに活かすだけだったら、世の中はなにも変わらないでしょう。

どんなに小さくても、「自分になにができるか?」を考えて動くひとからしか、サステナもESGもその他もはじまりません。

地球や世界、より広い世界への「好奇心、関心、責任」を持つことから、色々はじまると思います。

だから、そういう伸びやかでしなやかでおおらかで、知的に誠実な感性と思考をもつひとが、いてほしいし、自身もそうありたいと常に願ってきたので、僕は「エシカル」をいう言葉を選びました。


もちろん、エシカルも、サステナビリティやESGに合流するものですので、「サステナビリティより、エシカルが大事だ」というような、言葉の綾にこだわるとか、上下の話ではないです。

これからも、エシカルやサステナビリティについては発信していこう、と思っています。

乱筆乱文、失礼しました!
長文をお読みいただき、ありがとうございます。

エシカルSTORY:https://ethical-story.jp/