僕は「文学、美術、音楽などの芸術と思想、哲学が、今の時代において社会のなかで重要である」と思っています。
その理由をひと言でいえば、芸術や思想が人間と社会の闇を見つめ、確認し、共有するために重要な役割を果たせるからです。
僕は「文学、美術、音楽などの芸術と思想、哲学が、今の時代において社会のなかで重要である」と思っています。
その理由をひと言でいえば、芸術や思想が人間と社会の闇を見つめ、確認し、共有するために重要な役割を果たせるからです。
エシカルまわりでは「セルフケア」という言葉をたびたび聞きます。
「まずは自分の心身を管理して、元気でいないと、他人や社会にエシカルできないですよね!」という感じです。
そこで、7月を元気に過ごすための「食」の記事をエシカルSTORYに書きました。
以前から、「成功」という言葉を中心に「社会的にどうあるのがよいか?」を考える時、立ち止まる言葉があります。
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それでも
人々は、理性を失い、非論理的で自己中心的です。
それでも彼らを愛しなさい
もし、いいことをすれば、人々は身勝手だとか
なにか隠された動機があるはずだ、と非難します。
それでもいい行ないをしなさい
もしあなたが成功すれば、不実な友と、
ほんとうの敵を得てしまうことでしょう。
それでも成功しなさい
砂漠のなかに一本の道が伸びている。その先に自分の死地が待っている。
僕はそこへ一人で赴かなければならない、と思う。
そこには小さな花も咲いており、アリがいて、クモが踊り、岩が歌い、目には見えないソングラインが通っている。それをたどり、古い歌を聞き取る。
人間が家屋を発明したのは本を置くためだった。
家があるから積読が生まれるのではなく、積読のために家が建てられたのだ。
(だから、中近東からヨーロッパにかけて、はじめに家を建てたのはユダヤ人だっただろう。彼らは生きるために本を必要としていたから。)
以上、遊びですが、本当にそう思ったのです。
(中世イタリアの家に「書斎」が生まれた、という話を思い出します)。
この写真は、詩の図書館(note)
「シェイクスピアは、『リチャード三世』が好きなんですよ」
「そうなの? 風采のよくない男が、王にのしあがっていく悲劇だよね」
十年以上のつきあいで、初めて聞いた。
彼は辛酸をなめて生きてきた。
本屋さんにふらっと立ち寄ると、帯とPOPで店員さん激推しの文庫をみつけました。
旧東ドイツを舞台にした『革命前夜』(須賀しのぶ)を買いました。
エンタメ的な読みやすさと、歴史小説の醍醐味と、両方が楽しめますが、なによりも「今を生き抜く人間とはなにか」という問いに胸を打たれます。
エシカルな、サステナブルな世界を作るには今の世界を動かしていくリーダーシップが大切になるでしょう。
先日参加したイベントで、国連事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉さんのスピーチを聴きました。
中満さんは「ガラスの天井」があるなかで、国連の上級職に就いた女性です。
短いスピーチのなかには複数のテーマがありましたが、「リーダーシップ」について彼女が話したことをほぼそのまま文字起こししました。
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山桜は散る頃 |
「エシカルってなに?」「エシカル、なにからはじめたらよいですか?」と、取材や対談で聞かれ、話す機会があります。
いろいろに答えるけれど、僕の生活をレビューしてみることにしました。
以下、雑談めいたエッセイです。スマホで読むと長いです。すみません。。
ムスカリの好きな母。
母に田村隆一の記事(note)を紹介したら……
「こういうの、いいじゃない。(田村隆一のは)わかりやすい詩で。洋平も売れる詩を書きなさい。難しいポイポイじゃなくて」
ポイポイ? 連作中の詩「ポイボス・ポイエーシス」のことだった。
そんなに可愛く略されるとは。
母にはかなわない。太陽神を持ち出しても!
古代ギリシアの太陽神 ポイボス・アポローン |
第二歌
(第一歌はこちら)
地獄の歌を街なかで騒がねばならない。
そう、彼らは言っている。
ちょうどよいことが彼らのモットーになった。
"ほどよくはたらき、
ほどよく遊び、
ほどよく息抜きを
する文明は善きもの哉!"
文明はフランスから始まり、
それに抵抗するのはドイツ人だった。
フランス革命の後に
ベートーヴェンの交響曲が
パリの栄光と繁栄の陰に
リルケとベンヤミンがいた
いずれもロマン派と戦時の闇に飲まれたが。
暴君は統帥ではなく、孤立の群衆だ。
ブルジョワが生まれた。
ひとりの赤子のように。
ブルジョワは天使だった。
紛れもなく天使だった。神と人間をつなぎ、
誰からも理念的な憧れの的となった。
「ドゥイノの悲歌」を歌うことで
天使たちを滅ぼさなければならない。
「美は恐るべきもの」だと
リルケは言うが、美はわれわれのものだ。
天使たちと手を結ぶ
彼らのはためく翼を詩の弓で射る
おおいなる羽ばたきは突風を巻き起こすが
歌の嵐は天使の群れにあらがう
そう、美は友愛となる
深い抵抗のうちで
おお、海辺の太陽が昇る そのためには
知れ、深い地獄へ潜り そこを彷徨うのだと
冥府の底に降りていく
ケルベロスも恐れるに足りない
なぜなら、生還するイザナギが
生まれ変わるオルフェウスが
かぎりないソネットが
ダンテからペトラルカ、
シェイクスピアからリルケまで
名を連ねているから
冥府の子宮を知る者は
そこから這い上がり、再び薄明に立つ
思い出の曙は
アウロラの指先に灯る光を
かざして水平線に昇りゆく
明るい太陽となって
真実を照らす
その時
お前自身が、君が、あなたが、僕が
私がポイボス・ポイエーシスをおこなう
紙ひこうきを折ることも
できる
折り紙は織り目成す布となり
海の編み目を紡ぐだろう