札幌、大通のPIVOT(ファッションや雑貨のビル)5Fのカフェ フェリーチェにて、絵描きの鈴木美絵の個展が始まりました。
「幸せの扉の前で」 |
表玄関には扉の絵が待っています。全体で、新作を含めた9点が飾られています。
お魚の絵は昨年のドロール(美容室)の個展でも観られたものですが、フェリーチェの空間にもぴったり。
キャンディーの絵は、この絵描きさんの淡い画風から外れるように、輪郭も陰影もくっきりと。いかにもポップなキャンディーらしく、内容と描き方(スタイル)が一致。
「揺り籠」 |
こちらは、草原の絵。「揺り籠」のタイトルも印象に残り、この絵の空間のなか、ないし現実の草原のなかで大の字に寝っ転がって休息したくなるような気持ちになります。
「揺り籠」(一部) |
一見、緑一色で「かんたんな絵」に見えるかもしれませんが、それは写真でのこと。細部まで描き込まれており、具象的な表現というより、線の波と色彩の散らばりが一種の抽象絵画のように調和と動きを作り出しており、観るたびに発見があります。今回、僕にとって一番、印象の強かった絵です。
「花咲く森へ」 |
カフェの奥まったスペースに、さきの草原と双璧をなす大きな絵。
タイトルは「花咲く森へ」。少女の踊り子3人が描かれ、背景は薄緑のパステル調。そこに20種類以上の花が散らばっています。チューリップだけが3本、ほかは1つずつ。
輪郭線がぼやけ、「スフマート」に似た描かれ方がされています。これにより、全体に淡いファンタジックな雰囲気を作り出すとともに、踊り子の動きも表現されています。
背景の花たち。少女の手に持たれているように描かれているのが、ライラック。札幌、大通公園を代表する花でもありますね。
こちらは左の少女。よく見ると洋服や首もとは、黒い線でしっかりと輪郭がつけられています。さきの「ぼやかし」と併用されることで、「夢見心地」や「動き」とともに「落ち着いた静けさ」とのバランスが図られているのでしょう。
ゆっくりと鑑賞するならば、お客さんの少ない午前中がおすすめです。
ゆっくりと鑑賞するならば、お客さんの少ない午前中がおすすめです。
【展示の情報】
鈴木美絵 個展
2014.5.26 - 8.26(途中、ライジングサンにかかわる企画のために中断期間あり。)
カフェ フェリーチェ
〒060-0062 札幌市中央区南2条西4丁目 PIVOT 5F
TEL : 011-281-8787
営業時間:10:00〜20:00 休みはPIVOT休館日に準じる。(おそらく不定休。)