2016.8.11.
木曜日更新のエッセイ。
今回は、「小樽から先は魔境」(言葉の綾)〜「ひとつらなりの珈琲」〜「タゴール詩集1957」。
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よく、珈琲を落とすのに湯の適温は何度、といった話があり、珈琲の淹れ方のコツはいく通りにも語られる。だが、このたび焙煎からカップまで「ひとつらなり」だという話を聴いた。「珈琲とお菓子 つぐみ」のマスターが言うには、自家焙煎のやり方から、豆の挽き具合(粗めか細かいか)、ネルドリップの布の作り方(自家製)、落とし方、そして、口をつけて飲むカップまで、みなつながっているので、その全体のなかで工夫するのだそう。
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タゴールの詩集を見つけた。旭川で「まちなかぶんか小屋」という面白いスペースに出くわし、案内の女性が本棚から自由に本をとってよい、と言う。そして、気持ち分、小銭を置いていってくれればいい、と。ひと世代前の蔵書といった文庫本が並ぶなか、見つけてしまった。山室静(ムーミンや児童文学も訳している)さん訳のタゴール。おそらく重訳だが、「ギータアンジャリ」以外の詩集からの抜粋が充実していて、パラフィン紙も素敵。
【書誌情報】
『タゴール詩集』、山室静訳、角川文庫、1957