2016.5.12.
木曜日更新のエッセイ。(ふつか遅れ)
今回は、札幌の「初夏」か春〜珈琲の雑多なお話〜リー・コニッツを聴く。
***
札幌は昨日から一気に暖かくなって、公園ではアカナラも小さな薄い若葉をつけ始め、白樺はまあるい黄緑の葉を枝ごと揺らしている。ふたりの友人にも会った。みんなが外へ出る季節だ。僕は「初夏」めいているなと感じるのだが、土地のひとに言わせると、どうも「春」らしい。まだまだ気温の下がる日もある、と。札幌の春は駆け抜けるから不思議だ、とらえどころがない。そして、リラは蕾をつけ、たんぽぽとデイジーが咲き乱れる。
***
***
リー・コニッツを聴きたくなった。突然、ジャズを(それまで古楽ばかりかけていたが)聴きたくなり、ぱーっと奏者の名前を並べて、なかからリー・コニッツを選んだ。白人のサックス奏者で、マイルスがセッションをやろうとして「やつは白人じゃないか」と仲間から反論されたとき、「おれは肌の色が緑でもすぐれた奏者とならやる」と答えた、そんな逸話の登場人物。マイルス好みだろう落ち着いたクール・サウンドで少しおとなしい。