エシカル編集局
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本のカフェ
著書『珈琲と吟遊詩人』
『遊戯哲学博物誌』
2015年3月13日金曜日
【場面】子供のなまえ
【場面】は、実際に会ったひとびとの印象的なシーンを記すシリーズ。
英国出身の友人がいる。今度、子供が生まれる、と喜んでいる。彼は漢字が書けない、日本語がまだまだ苦手なのだ。カタカナとひらがなを読むのがやっと。
カフェでふたりでコーヒーとショコラを飲んでいた。「◌◌」とぼくが彼の子供のなまえを漢字で書いた。ペンとメモを渡すと、彼も真似て書いてみる。「そこは、"ちょんちょん" だよ」「そうそう、飛び出る」。ぼくがあれこれ教える。だんだんしっかりした字になる。小さなメモに何度もうれしそうに愛おしそうに、子供のなまえを書く。これが彼が覚える初めての漢字になるんだね。あ、そこ、書き順がちがう。
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