俳句を始めて10年近く。これまで本名を使ってきたが、思い立って俳号をつけた。
円山季白(まるやま きはく)とした。
「円山」は札幌にある小さな山の名。ゆかりの地。
「季白」は、白い季節。雪や冬、北海道を思って。
じつは唐の大詩人、李白(りはく)にもあやかったつもりだが、字面も似てゆきすぎかもしれない。(芭蕉の弟子「其角」(きかく)らしい響きもよし)。
さて、気魄ある作句を心がけて。
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今年、初夏から梅雨にかけて詠んだ句。
いま、破調(五・七・五で切れない)に挑戦している。
せせらぎはよぎる夏の蝶の羽音
小川のほとり。
仄白い紫陽花咲き額のない絵
ほのじろい、まだ咲き始め。
みほとけの諸手に包んだ紫陽花
もろて。両手。
待つ者の顔はつね静か梅雨入り
つね。常、いつも。
ひなげしの赤降る頃や西の空
小さなひなげしは儚く風に揺れ、その朱色は夕空に似る。
青さ灰を知る空や梅の実生る
これは複雑すぎる。青灰色の空の下、梅の実が色づく。
どくだみやカラス少年を乗せけり
「夏風やカラスは少年を乗せて」のほうが爽やか、か。
蚊をつぶしてしまうわるいことしたな
つい。
六月の二日暦をめくりけり
一日遅れ。
アーケードなす葉桜のひと昔
句意は、ぼくにもよくわからない。緑のトンネル。
空から無音降り注ぐ夏の夜
流れ星のように静寂が降る。
ひとすじの雲ゆけば七月の水
「行雲流水」の心地を詠んだ。「七月」は気が早い。
くずれてひかり残してや月見草
月見草は夜に開く。明け方、しぼんでかたちのつぶれた花も、まだ光を宿していた。
季白