2015年2月28日土曜日

札幌便り(28)

2015.2月

二月半ば、突然の訃報に心が痛みました。変わらずに見守ってくださった俳句の師、山縣先生を悼む。

白樺の変わらぬ姿春に雪

「札幌便り」を掲載していただいている「ゆく春」誌のみなさまと悲しみを分かち合えたら、と願います。

短い夏を惜しむように、短い真冬(1月初め〜1月終わり頃)を惜しむ。北海道にして「冬を惜しむ」のもめずらしいが、ほんとうに真っ白な雪景色が広がるのは1月の短い期間に思える。1月の初めにはまっさらな雪が降り敷き、野も畑も雑木林も美しく覆う。いずれは、季節はずれの雨も来て雪原もでこぼこと溶け始め、土や排ガスに汚れ、枝や葉も落ちたまま埋もれない。立春からさきはこちらでも日は伸び、「さっぽろ雪まつり」の頃は真冬の気配も薄らぐ。

沢水の凍りつきかねつつ流る
轟の太虚を抜けて雪小止み (とどろきの たいきょをぬけて ゆきこやみ)

1月の句。太虚は大空。ごう、と木々の上を吹き抜ける風のあと、ふっと吹雪が止む。

もったりと落ちたさそうな屋根の雪
雪降る静けさの街にクロワッサン

町並み、家にて詠む立春ののちの句。

おまえさん老いぼれたなあ冬将軍

札幌の雑木林でこう感じた。もう春の気配がわかる。

突き抜けて水色になる春の空
枝の上どこもかしこも雪解けて

落葉したカラマツ、やちだも、オニグルミ、エゾヤマザクラ、アカナラ、すずかけの木。どの枝も雪解け。ところで、いくつかの漢詩を読んだ。高適(こうせき)の辺塞詩に「塞上にて吹笛(すいてき)を聞く」という題がある。「借問(しゃもん)す。梅花は何れ(いずれ)の処(ところ)よりか落つる」。これは雪片を梅の花に見立てた一節。

梅の花天より降る屑屑と (うめのはな あめよりくだる せつせつと)

「屑屑」はこまかく降るさま。漢詩風に詠む。

春北風(はるきた)の大木すぎて人の家

そんな北風に乗って、いっとき東京に帰る。近所の梅林を通りかかる。

梅越しによりくっきりと空の青

紅梅の向こうに眺めると、空もいっそう青く。

一輪は先に開けり山桜

ごつごつした木肌の山桜。ソメイヨシノのようにみな同じでなく、細い幹、枝ぶりにもゆかしさがある。また、札幌へ戻ってきた。春先の暖かさせわしく、雪解けは進み、ずぶずぶの小路にときおり雨かみぞれの降る。

ずぶ濡れで気高く歩け春時雨

2015年2月27日金曜日

【ご報告】本のカフェ第14回@札幌

2015.2.14(土)18 - 21時
詩とパンと珈琲 モンクール
参加12名
1200円(ドリンク、パン込み)


いつもお世話になっているモンクールにて、実はオーナーのご結婚をサプライズで祝福する本のカフェでもありました。

このふたりが結婚したのではない。

自己紹介は、恒例のテーマがあり、この日は「本とのかかわり」でした。「必要なものを読む」「物理的に本が好き」「昔は貧乏性で教養のために読んだが、いまは娯楽のため」「一冊をくり返し読む」。母が好きだった、子供の頃から本が好き、というひとも。反対に、子供の頃は苦手だったひともいます。アガサ・クリスティを好きなひとが多かったですね。


今回は、苫小牧からはるばるお越しいただいた朗読サークルの方から「読書会を開いてみたい」との声も。札幌でも、朗読は盛んですよね。


では、一冊目。『エブリ・リトル・シング』(大村あつし)は、ケータイ小説からのヒット作品。幼い頃、右足が義足になった少年が、体は大きいけれど脚が5本しかないクワガタを買います。いぶかしむ店員とのやりとり、ラストにささやかなやさしいシーン。ほか5編が収められ、それぞれに伏線を敷きながら最後につながる構成の一冊です。


二冊目は、角田光代『彼女のこんだて帖』。レシピのきちんと載っている料理本の体裁で、15の短い小説が集められています。こんだてのひとつひとつが、物語のなかで大事な役割を果たしながら、ゆるやかな鎖のように次のお話へ連なってゆく。料理が心の支えになったのは、スランプに入った角田さんの実人生の反映なのだとか。紹介者の方による素敵な朗読もありました。


三冊目は、三島由紀夫『午後の曳航』。横浜の山の手の未亡人とその息子が、船員と複雑な関係に入る。未亡人は船員に惹かれ、その部屋を少年が偶然にのぞき見る。不良グループに属するその少年は、母の恋人である船員の鍛えられた体に憧れ、英雄視するが、やがて絶望し……。イギリスを舞台に映画化され、ドイツオペラにもなった作品。


19時半から、フリータイムとなり、オーナーに花束を渡したあと、みんなでおいしいパンを食べました。シャンパンの栓も抜かれ、ビールが振る舞われ、陽気な会に。あちこちでローカルトークもはずんだようです。


いつもながらおいしいパンとオリーブオイルを提供してくださったオーナー、ありがとう&おめでとうございます。そして、参加者のみなさま、見守ってくれたみなさまにも感謝。。。

主宰・文責:木村洋平
スペシャル・サンクス、受付ほか:あのひと。写真:あの方♪


【書誌情報】
『エブリ・リトル・シング』、大村あつし、ゴマブックス、2007
『彼女のこんだて帖』、角田光代、ベターホーム出版局、2006(大型本)
『午後の曳航』、三島由紀夫、(古い単行本の初版本でした)

雨と木曜日(36)



猿田彦コーヒーのスタンド。そこでは飲むスペースがないけれど、コーヒーをテイクアウトできるこういう出店を「コーヒースタンド」と言うよね。ぼくがコーヒースタンドでいつも思い出すのは、「ベルリン天使の詩」という映画で、静かな天使たちの映像が美しい。そのひとりが、人間になって地上の生活を始めるのだが、勝手がわからない。とりあえず、コーヒースタンドでホットのブラックを一杯。その場面がとても好きなのです。

***

そういう流れで、猿田彦コーヒーの紹介をしよう。さきのコーヒースタンドでは、豆を二種類買ってみたけれど、「クラシックフレンチ」がとてもおいしい!ホームページに紹介されている「猿田彦フレンチ」と同じかな? ぼくはあちこちの珈琲を飲んでいて、北海道の「ゴーシュ」というカフェの焙煎を尊敬しているが、その深煎りにすごくよく似ていた。つまんで力を入れたらくしゃっとつぶれそうなほど、丁寧に焦げた焙煎。


猿田彦コーヒー:http://sarutahiko.co/
ゴーシュ:http://www.gosh-coffee.com/

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『江戸のエコロジスト一茶』という本を読む。俳句の小林一茶を、「エコロジー」の観点から見直す本。フランス出身の研究者が書いているのだが、なるほど、俳句の分析にしては妙に西洋がかっている。ぜんたいに江戸が「エコロジカル」な社会だ、というのはよく言われるが、一茶には「心のエコロジー」まであると言われると俳論としては心許ない。とはいえ、伝記的事実や、選び出す俳句のセンスには、著者の深い愛情を感じる。


【書誌情報】
マブソン青眼、『江戸のエコロジスト一茶』、角川学芸出版、2010

小説と児童文学のちがい

小説は、リアリティ(現実に似ていること)がベースにあるから、かえってロマンチシズムやファンタジーが際立つ。むしろ、そちらが勝負のしどころになる。

他方、児童文学や童話は、ファンタジーやロマンチシズムがベースにあるから、かえって現実との接点が大切になるのではないか。

エンデの『モモ』にせよ、アンデルセンの「もみの木」、リンドグレーンの「ピッピ」、ケストナーの『飛ぶ教室』にせよ、すぐれた作品はみな、子供の世界を失わずに現実と接続している。


2015年2月19日木曜日

雨と木曜日(35)


ジンジャーエール・カクテルを発明した。ぶどうジュースとジンジャーエールを半分ずつで混ぜると、ノンアルコール・カクテルができる。ちなみに、ジンジャーエールはウィルキンソンがおすすめだ。それから、パイナップルジュースとジンジャーエールもゆける。甘甘の組み合わせだが、こちらはカナダドライがよいように思う。比率は、カナダドライが少し多めか。ウィルキンソンはなかなかスーパーでも見つからないのが難点だ。

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サザコーヒーというブランドのドリップパックを飲んだ。カラフルでいろんなストレートとブレンドが織り交ぜて9種類。見た目にも楽しい。徳川将軍コーヒーという、なぜ「徳川将軍」なのかわからないブレンドもあれば、ケニアのストレートは一番おいしく感じた。全体に酸味を活かした浅煎りの印象で、ロースターがやや弱いのか、コクに欠ける袋もあった。なんとなくだが、豆は良いものを使っていそうだ。


***

熊谷守一の画集をまた紹介してしまう。10年ほど前の展覧会のときの図録、だったと思う。(いま手元にない。)絵のなかでは、抽象画のような構図で少ない色彩を配したものが、いつまでも眺めたくなる。そして、なにより熊谷さんを写した写真が好きで、やっぱりいつまでも眺めていたい。若い頃も壮健な様子だし、晩年も穏やかさがまあるく極まっているが、50代頃の横顔が聖者のようではっとする。


2015年2月17日火曜日

ファンタジーという言語


子供の頃に、絵本や冒険物や童話といったファンタジー作品に触れると、20代30代になっても、その空気をまとっている、というひとは少なくないと感じる。

よく「良質なファンタジーは心を豊かにする」と言われるが、その真偽はわからない。むしろ、ファンタジーとはひとつの言語であるように思う。だから、多くのファンタジー作品に触れることはひとつの言語を学ぶことだ。ドイツ語やフランス語を学ぶように。

ファンタジーという言語を子供の頃に学んだひとは、それを忘れない。同じ言葉を理解できるひとと出会えば、通じ合う。同じ作品を読んでいなくても、話す言葉はわかる。

どこにもない故郷を覚えている、ファンタジーという言語をわかり合う大人たち。


2015年2月16日月曜日

真冬の白樺のように


「おまえがほんとうに正しいと思ったことをせよ。考え込んで出した結論ではなく、根本的な直感がそれだと告げることを、まっすぐに。そのまま行ってごらん。」最初は外れ者になった気がする、途中で信念をもつようになるが、それでも迷う。そして、十年経てばひとつのかたちになる。それから、また次の十年を積み重ねる。

2015年2月13日金曜日

作品の子供

芸術家が「作品は自分の子供みたいなもの」と言うのはしばしば聞くが、ぼくはむしろ、自分が作品の子供である、という感覚にずっと近い。

それも、愛するただひとりの子供ではなく、14人兄弟くらいの下から2番目や末っ子で、たいして親からかまわれるわけでもない、そんな子供。

だけど、ぼくは作品に助けられているし、忠孝に励むべきだから、親である作品のことは大切にします。

そんな心持ちでいる。

2015年2月12日木曜日

【ご案内】本のカフェ第15回@札幌

3月の本のカフェ。とくに「特集」や「テーマ」は設けない、ふつうの本のカフェですが、後半にくすみ書房ツアーがあります♪

場所:サッポロ珈琲館、大谷地店(東西線 大谷地駅、直結CAPO内)
日時:2015年3月8日(日)16時〜19時(15:30頃から受付開始)
定員:12名
参加費:500円+ワンドリンク以上のオーダー(ケーキセットがおすすめ!フードもOKです。)

前回、同じ場所で開催のとき

〜本のカフェとは〜

本のカフェは、好きな本の紹介を通して、集まったひとがゆるやかに交流するイベント(おしゃべり読書会)です。

内容:本の紹介者が3,4人、ほかはオブザーバー(紹介せず、聞くひと)。前半90分は、自己紹介と、紹介者がひとり15分ほどで本の紹介。

後半90分は、フリートークタイム、自由な交流の時間です。今回は、「くすみ書房ツアー」もあります。(下記)


参加者:紹介者は、紹介する本の現物をなるべく持参。レジュメは必要なし。オブザーバーはなにもいりません。
 メンバーは流動的で、初参加の方もよくいらっしゃいます。気兼ねなくお越しください♪

本の選び方:紹介していただく本は、どんな本でも結構です。古典、流行りの小説、学術書、新書、雑誌、ムック本、写真集など。


大切なこと:ゆるやかな雰囲気を大切にしたいと思っています。紹介も、思い入れ、感想、あらすじなど、好きなスタイルで楽しく語っていただければ幸いです。

主宰:木村洋平

* お申込・お問い合わせ先 *
お名前と、「紹介者」か「オブザーバー」を選んでご連絡ください。紹介はかんたんな、気軽なもので結構です。初めての方の紹介もお待ちしております。

メール:kimura-youhei◆live.jp (◆→@)
Twitter:@ginnyushijin
Facebookページ:本のカフェ」で検索。

前回の集合写真

*その他*
・メールの際は、毎回、最後に署名かフルネームをお入れください。とくに携帯の方から無記名のメールをいただきますが、どなたかわからなくなります。

・紹介される本は、決まり次第ここに載せてゆきます。
『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ。』、エレイン・N.アーロン著、冨田香里訳、講談社、2000
『火花』又吉直樹(雑誌「文學界」2015年2月号より)
『ビッグイシューの挑戦』、佐野章二、講談社、2010(予定)

『ささいな〜』は、HSP(Highly Sensitive Person)という、「敏感で」「繊細な」「感じやすい」ひとが全人口の20%くらいいる、と言う心理学者による著書。感じやすいひととは、どういう特徴をもっており、どういう処世の方法で生きやすくなるのか?おもしろい本ですよ!

『火花』はピースの又吉さんの小説。雑誌「文學界」に載りましたが、初版1万部がすぐに売り切れて3万部増刷されました。3月11日には単行本が発売される話題作。

『ビッグイシューの挑戦』は、イギリスで始まったビッグイシュー(ホームレスが販売して収益を得るための雑誌)を日本で根づかせるために奮闘した方の実録。くすみ書房さんで平積みでした。

・今回のフリータイムでは、久住社長のご案内で、くすみ書房ツアーをおこないます。くすみ書房は、会場と同じ施設内にあります。ツアーは自由参加、途中で珈琲館に戻っていただいても結構です。

・お問い合わせは「くすみ書房」「サッポロ珈琲館」さんにはおこなわず、主宰の木村へお願いします。

・毎回レポートを作成し、そのために写真を撮りますが、撮影についてはおひとりおひとりに許可をお取りしています。

雨と木曜日(34)

2015.2.12.


雪道を30分以上、歩いたのち、りたる珈琲へ入る。ふだん、りたる珈琲にひとりで入ることはないが、今日は置いてある雑誌のバックナンバーをしばらく読みたいと思った。席に着くと、「燻製コーヒー」という新しいメニューに気がつく。ついでに、バレンタイン限定のロールケーキセット。自分を甘やかしてしまった。いろいろな雑誌が取り揃えられているなかで、4冊をぱらぱらとめくる。はじっこの椅子で人知れずリラックス。


***

七福神の珈琲を飲んだ。まだ7つではなく、3つなのだが。珈琲ヒルズという町田にある自家焙煎の工房で、まち作りとタイアップして「原町田七福神」というコーヒー・ドリップバッグを発売した模様。絵柄がいちいち面白い。味のあるパッケージだけでなく、なかなかおいしい珈琲を楽しめる。深煎りは舌のうえでざらつくほどの焦げがあり、浅煎りはさっぱりと。中深煎りのグァテマラが一番、おいしかった。香りの高さがぴかいち。


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高校生の頃から折に触れて読み返す、『漢詩をたのしむ』。新書なので、解説も行き届いて読みやすい。章ごとにテーマがあり、「志を歌う」「別れ」「酒」「郷愁」……と並ぶ。とくに好きなのは、友との「別れ」を歌う詩。唐の詩人は教養ある官僚なので、左遷されたり、任地が変われば都を離れる。「西のかた陽関を出ずれば 故人無からん」。陽関(ようかん)という、敦煌(とんこう)のそばの関所を出れば、知人もいないだろう、と。


【書誌情報】
『漢詩をたのしむ』、林田愼之助、講談社現代新書、1999

2015年2月11日水曜日

雪と水曜日

* エッセイ「雨と木曜日」シリーズの番外編。


ちょっとした冒険の話。喫茶店に並々ならぬ愛情を注ぐ某氏と初めて、彼のゆきつけの喫茶店で会おう、と持ちかける。待ち合わせた人物は、変わった帽子をまぶかにかぶり、長身でこちらを見下ろし、不敵に微笑んだかのように見えた。北海道を中心に、あちこちの街で古い喫茶店を訪れる。カフェではない「喫茶店」だけを。そんな喫茶探偵は、喫茶つばらつばらへすたすたと歩く。今日は、すでに3軒のお店で3杯の珈琲を飲んだ後だと言う。

***


喫茶つばらつばらの珈琲は、ネルドリップで濃厚に淹れたものだが、「中煎り さらり」は円錐ドリッパーで落としたような透明感があり、おいしい。チーズケーキは正方形で、ふんわり生クリームがちょこんと添えてあり、お皿は工芸品である。喫茶探偵つばら、と仮に彼を呼ぶとして(断りなしに)、つばら氏は、札幌のジャズ喫茶、旭川の純喫茶、地方の入りづらいお店まで、体験談を次々と教えてくれた。ミルクセーキを啜りながら。

***

そして、一冊の本を紹介してくれる。『さっぽろ喫茶店さんぽ』。昔ながらの喫茶店の、こだわりのある、長く珈琲にたずさわってきた店主たちが喫茶文化について語る。2001年刊だが、いまではないお店も多い。「北地蔵」はみなが口を揃えて良い喫茶店だったと言うが、自分はついに行くことができなかった、と喫茶探偵は呟く。ぼくは一度、訪れたが、雰囲気のある黒い内装でした。お別れ。さて、彼は5軒目へはしごしたのか。


【書誌情報】
『さっぽろ喫茶店さんぽ』、ノーザンクロス、2001

2015年2月9日月曜日

【告知】アートの広場「アートと本のあいだ」(札幌)

2015.2.9.


今回、イベント「アートの広場」は、1)アーティスト、デザイナー、イラストレーターさんと、2)アート関係者、3)アート好きな方々、のオープンで気楽な交流の場を設けたい、という思いから立ち上げられました。

【概要】
場所:トオンカフェ(札幌、南北線、中島公園駅すぐ)
日時:2月28日(土)19〜21時
人数:12名ほど
参加費:無料。出入り自由。

【内容】
自己紹介(15分ほど)
トークタイム。テーマは「アートと本のあいだ」(45分)
フリータイム(交流タイム)。(1時間)

トークタイムでは、3,4名の方にお願いして、10分から15分ほど、自分にとっての「アート」と「本」のかかわりについて、おはなししていただく予定です。

ふだん、つながらないひと同士が知り合い、歓談できる機会になれば、幸いです。



出入り自由・入場無料ですので、途中参加・退席など、お気になさらずに、ふらっとお立ち寄りください。

*トークタイムに「おはなししてもいいですよ」という方は、主催の木村まで事前にご連絡いただけると助かります。(メールには署名フルネームをお願いいたします。)

メール: kimura-youhei◆live.jp (◆→@)

*トークタイムでおはなしする予定のない方は、参加のお申込は不要です。当日、直接、会場へお越しください。


*フリータイムでは、小さな作品であれば、即売会をおこなっていただいても結構です。DMの配布、冊子、カタログの持ち込みなども自由です。

*当日、貸し切りではありませんので、他のお客様、お店へのご配慮をお願いいたします。

*当イベントに関するお問い合わせは、主催の木村までよろしくお願いいたします。トオンカフェさんのご協力はいただいておりますが、電話・メール等でのお問い合わせはお控えください。

メール: kimura-youhei◆live.jp (◆→@)

または、下記、Twitter or Facebookページにて承ります。

*告知は、Twitter:@ginnyushijin 、Facebookページ「本のカフェでもおこなっております。そちらでお声がけいただいても結構です。ご参加、お待ちしております。

主催:木村洋平
ご協力:トオンカフェ

2015年2月6日金曜日

さっぽろ雪まつり 2015


さっぽろ雪まつり2015をレポートします。

2015年2月4日水曜日

雨と木曜日(33)

2015.2.5.


ジンジャーエールが好きでしょうがない。そういうお年頃、というわけではないが、魅力にとりつかれてしまった。シュワッとくる炭酸、カラメルの穏やかな焦げ茶色、泡とともに鼻先をかすめる独特の香り、のどごしの爽快感とぶつかる辛口の風味、舌にぴりぴりっとした刺激。こんな風にジンジャーエールのファンになった僕は、先日、ぶどうジュースとのカクテルを試してみた。ウィルキンソンとおよそ半々で混ぜたら、とびきりおいしい。

***

りたる珈琲というお店については何度か書いている。(札幌の)円山にある喫茶店で、内装を整えたり、木の年輪のロゴを作ったり、パンフレット冊子を制作したり、日々、前へ進んでいる。だが、焙煎の風味は変わらない。もう3年くらいか。そばを通りかかると、吹雪のなかでも焙煎機が回っていれば同じ珈琲の香りがする。お店に入ったときも、家で、買ってきた豆で珈琲を立てたときも。いまは、これが懐かしい匂いになっている。

***

ジャズの巨人たちの写真集。表紙はコルトレーン。野太いボディにタフさとリリシズムを感じさせる。マイルスは細身ながらパワフルに、知的な額とクールな瞳。ミンガスはでっぷりしたからだにやや神経質そうな顔つき。アート・ブレイキーは笑顔がはじけてエネルギッシュ。……と、音楽のイメージが自然と写真を見る眼に反映されてしまう、ので、どこまで正確に写真を読み取れたかはわからない。だが、圧巻のモノクローム。


書誌情報
"JAZZ GIANTS 1961〜2002" 中平穂積、東京キララ社、2002

2015年2月3日火曜日

【おはなし】ファウスト来札


ドイツの魔術師ファウスト博士がはるばる札幌にやってきました!

おつきの悪魔メフィストフェレスにそそのかされて、こんな風に吹き込まれたのです。

「あなたは季節のことをご存じですか?めぐりくる四つの季節というものを」
「もちろん!それは移りゆき、とどまることのないものだ」
「なるほど」

メフィストフェレスはほくそ笑みました。

2015年2月1日日曜日

西洋的なものの考え方の外へ

このエッセイの行き先は、西洋的なものの考え方の外だ。

5つの副題から成る。

(1)「メタの視点」に立つこと
(2)上からの見方と横からの見方
(3)ユーモアとアイロニー
(4)詩と知
(5)自由なひと

まず、(1)で「西洋的なものの考え方」の核心について述べる。それをべつの角度からくり返し眺めるために(2)〜(4)の各節がある。そして、最後に(5)で「西洋的なものの考え方」の外を示したい。